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改憲勢力3分の2届かず 慎重派の協力不可欠に 衆院選


改憲勢力3分の2届かず 慎重派の協力不可欠に 衆院選 国会議事堂(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 27日投開票の衆院選で、自民党を含む憲法改正に前向きな「改憲勢力」の議席数は、国会発議に必要な定数の3分の2(310)に届かず、維持できなかった。石破茂首相(自民総裁)は在任中の発議を目標に据えるものの、議論の前進には立憲民主党など慎重派への配慮が一層欠かせなくなる。もともと各党の優先項目には隔たりがあり、意見集約は見通せない。

 改憲勢力は、自民、日本維新の会、公明、国民民主、参政各党と改憲派の無所属に加え、政治団体「日本保守党」を指す。公示前は352議席だったが、今回の衆院選では297議席にとどまった。参院は3分の2(166)を超えている。

 改憲勢力内にも溝がある。緊急時の国会議員任期延長を含む「緊急事態条項の新設」では一定の理解が広がるものの、自民、維新が提唱する9条への自衛隊明記を巡っては、公明と国民民主が距離を置いている。

 一方、「論憲」を掲げる立民は、衆院解散の制約など国家権力を抑制する観点での憲法論議を主張する。共産党も9条改正に反対し、幅広い合意形成に向けたハードルは高い。

(共同通信)