【交差点】小学生の工場見学を迎える


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 大連市内にある日本人小学校の3年生31人が、社会科校外学習でわが社の工場見学に来ることになった。見学に併せて、参加する小学生の作文が印刷、裁断、製本されるまでの工程をプログラム。印刷が身近に感じられるよう配慮し、迎えることにした。
 気温マイナス5度前後に下がったある日、大型バスに揺られて男女半々の児童らが先生2人に引率されてやって来た。当方の担当者が待ち受ける場所に整列、「こんにちは」と元気のよいあいさつがあり、簡単な迎えの言葉と見学順路を聞き、工場内の見学が始まった。
 シールや箱を印刷する小型の機械や、折り作業をしているところなどを見て回り、自分たちの作文が大型の印刷機械で刷り上って出てくるのを歓声を上げて見上げ、製本行程も説明を受けながら見学した。
 見学後の接客室では、用意した腰掛けやソファに2人掛けや6人掛けで座って懇談。生徒たちの質問が始まった。
 会社の名前の由来や「大連のほかには世界のどこに進出していますか」など、ちょっと答えに詰まってしまう質問も出た。沖縄に本社があると話すと、先生が「沖縄に行ったことある人いますか」と聞いた。2人の生徒が手を挙げた。
 目の前で印刷され、話をしている間に製本されて出来上がった作文集と、戌(いぬ)年をデザインしたわが社のカレンダーを先生がまとめて受け取り、声をそろえて「ありがとうございました」とお礼の言葉を残し、帰っていった。
 (池宮城克子 大連外国語学院講師・ウチナー民間大使)