【チャイナ網路】VIP外来


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 台湾大学病院の「景福門診」といえば、国家元首や富豪など、VIPだけに許された“特権外来”。その門が今年から、一般庶民にも開かれた。初診料は3500円と通常の10倍だが、他は健保適用で計1300円也とリーズナブルだ。
 専用駐車場に専用の出入り口。検査やご指名の名医による診察を係員がつきっきりで案内する。当然待合室で長々と待たされることもなければ、薬も係員がお手元までお届け。文字通りのVIP待遇だ。
 実は今、VIP外来は、有名私立病院が次々と開設し、人気を博している。私立では全額自己負担のため、1回の診療で数万円かかることもあるが、忙しいビジネスマンに支払えない額ではない。「時間のロスがない上、名医を指名できる」と評判は上々だ。
 とはいえ、すべての国民に開かれるべき公立病院に、VIP外来はあるまじき姿だと「景福門診」に批判はある。一般開放したとはいえ、限られた名医がすべてに対応できるとも思えない。が、そういう声をよそに、同院では世界に市場展開すべく、近く英語対応のVIP外来を開設する方針だ。
 (渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)