チヌは情報が決め手


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 沖縄近海に鯨が姿を見せると小さな魚は逃げまどい波打ち際の青々とした伸びた藻にエサがからまって見えなくなる、2月は沖でも磯でも魚が釣りにくいと言うのはもっともらしいうそである。2月から3月にかけては那覇近海の平均水温が21度前後と年間で最も低くなり多くの魚の活動が鈍くなり食欲も低下するからのようだ。例外は恋の季節風(産卵期)を迎えるチヌである。チヌは海底が砂泥地の内海が生息域で魚の種類が多い那覇一文字や辺戸岬などの深くてきれいな荒磯では釣れた例がない。釣り方はウキ釣り、打ち込み釣り(太仕掛けの投げ釣り)、イカダ釣りなど。釣れる場所は水深1―2メートルの浅場と水深5―10メートルぐらいの深場に分かれる。チヌは向こう合わせで釣れると言われるほど食い付きの良い魚だが、釣果はそれぞれの場所のことなる潮位、風向きなど自然条件で決まるので、腕より情報が決め手となる。

《精子が吹き出していた50センチオーバーのオスのチヌ》

 2月5日、釣りクラブ プラス1の園田茂一さんは屋我地島の有名ポイントで今年3度目のサオを出した。1回目は小潮の朝の干潮狙い、2度目は大潮の干潮狙い、今回は夕方の干潮を狙い、17時ごろに道糸8号ハリスシーガー7号、オモリ25号、生きエビのエサで50センチ、2・2キロのチヌを釣り上げた。オスがいればメスがいるはずと3時間ほど粘ったが一発大きなアタリをバラした。(マンモス泡瀬)

 ○屋我地水路のボート釣りでチヌにガーラなど。運天港から南の前垣までの3・5キロの細い水路が乗っ込みチヌのメッカ、南側の内海に広がる少し流れの緩やかな所でボートのかかり釣りのポイント、1月31日読谷村の中満重さん、道糸、ハリス5号、ハリは丸セイゴ15号、ゴカイのエサでサオ4本でボート釣り、48センチのチヌにガーラなどを釣った。
(海洋レジャー用品センター)

 ○屋我地深場のウキ釣り、コツはかけ上がりにマキエ。2月3日、宜野湾市の阿金聰之さん、ハリス2号で45・2センチなど5匹のチヌ、マキエを多くして時合いを待つと魚が集まると言う。(シーランド北谷)

 ○山原の打ち込み釣りで大型チヌの数釣り。2月4日、豊見城市の中村昌光さん、道糸6号、ハリス5号、ハリは流線16号、オモリ25号、島ミミズとカニのエサで51・7センチなど45センチ以上の大型チヌの数釣りをした。潮位が低い小潮の夜釣り、まだまだ知られてない穴場がありそうだ。(マンモス小禄)

 ○南部の磯釣りで山内しのぶさんが小型チヌ8匹を釣った。平凡な浅い海岸だが濁っていたのでチヌが釣れるかなと2月5日、ハリス1・5号でウキ釣りをした。30分置きに30センチオーバーのチヌの数釣りをした。(シーランド南風原)

 ○チヌ、イカ好調の本部半島。瀬底島ではタマンにチヌマン、アーガイ、本部新港、B&Gではイカ好調、チヌは2日渡久地港で津波古一成さんが41センチ、5日B&Gで金城勝さんが46・6センチなど。(もとぶつりぐ)

 フィッシング沖縄社・城一人 098(933)2073 メールfishing@ii-okinawa.ne.jp

【写真説明】上から
(1)50センチオーバーの乗っ込みオスのチヌと園田茂一さん
(2)屋我地のボート釣り、読谷村すしハウス「アタリ」の中さんの釣果
(3)マキエでチヌを集める阿金さんの屋我地水路の釣果
(4)山原の打ち込み釣りで51・7センチなど数釣りした中村さん
(5)山内さんが釣ったチヌと(左から)山内晴太、比嘉正治、仲村渠将、山内真太郎君
(6)渡久地で41センチのチヌを釣った津波古一成さん