【交差点】日本と違うバレンタイン


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 シンガポールや他のアジアの国でも、バレンタインデーを祝う。日本でバレンタインデーといえば、当然のように女性が男性に愛の気持ちをチョコレートやプレゼントとともに表現する日として定着しているが、シンガポールでは、恋人同士や友人同士でプレゼントを交換する日である。日本のように、女性だけから男性へ愛のチョコレートや義理チョコを贈る日というような特別な習慣はない。
 おそらく、各国独自のバレンタインデー関連企業のマーケティングでそれぞれバレンタインデーのとらえ方や習慣が変わってきたと考えられる。日本の習慣に親しんできた私にとって、バレンタインデーに女性に贈り物をするのは耐え難い屈辱とまではいかなくても、かなり抵抗感があり、最初はプレゼントを拒んでいたほど。
 しかし、日本と違うバレンタインデーも慣れてくると、クリスマスが2度あるようで意外と楽しめる。考えてみれば企業のマーケティングに乗せられ、単純に周りの皆と同じようにバレンタインデーを受け止める方がしゃくでもある。
 今度、日本でバレンタインデーにお世話になった方々に粋なプレゼントでもしてみたい。たとえ、どこの国にいようとも、自分なりのバレンタインデーを楽しむ。結構、おしゃれな過ごし方だと思う。
(遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)