【交差点】経営者としての器


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 会社設立から3回目の決算を終えた。何とか2年目から黒字化し、本年度も売り上げと利益を小規模ながらも前期比で増加させることができた。会社を興す前の事業計画書では、3年目で約10店舗を運営、海外との貿易を盛んに展開しているはずだったが、現状は2店舗の運営。輸入は多いが、輸出は月数件あるのみで、計画通りに進んでいるとは言いにくい。
 資金もあり、出店の誘いが多いにもかかわらず展開が遅れる理由は、慎重に案件を進めていることもあるが、部下をうまく育てられずに何でも自分でやってしまい、手が回らなくなっているのが最大の理由と言っていいだろう。
 シンガポールでは常にスタッフが流動的で、人手不足状態で経営に集中できない。ただ、これも言い訳で、要するに自分は他人に仕事を任せられない、部下を育てることができない、経営者として器の小さな人間なんだなと最近、悟り始めた。
 起業してから3年が過ぎ、経営者としての勉強期間も終了したと考えている。4年目からは器の大きな経営者にならないと会社の成長はないと自分に言い聞かせ、部下を育て、自分自身をより鍛えていかなければならないと実感している。
(遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)