【交差点】販路広がった沖縄物産


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 先日、香港の日系スーパーで日本食品・沖縄フェアが開かれた。モズク、海ぶどう、もろみ酢などが販売され、好評だった。モズクの生産者や関係者が試飲、試食などで商品を紹介し、てきぱきと販売していく意気の良さが受け、売り上げ予測を大幅に上回る盛況ぶり。
 出展した県内企業の担当者は「フェアは大成功で、新たな商談もあった」と継続して努力してきたことが成果として表れ、さらに今後の販売に自信を深めたようだ。
 振り返ると、2003年に高級食材店「シティ・スーパー」で県産品の陳列・販売と併せ、観光情報を放映する沖縄コーナーが常設され、それを契機に沖縄の商品が徐々に売れるようになった。
 名酒「泡盛」はというと、昨年、泡盛メーカーや関係機関などが協力し、ここ香港で泡盛商談会を開催した。それを契機に、香港の百貨店で泡盛15銘柄が通年販売されるなど販路が広がり始めた。さらに、県出身者が営む飲食店グループを拠点に海外初の泡盛同好会が発足。泡盛ファンが増え、別の角度から販路が拡大しそうな勢いだ。
 さて、私はこの3月で沖縄に帰任することになった。在任4年間を振り返ると、沖縄の物産の販路が拡大するのを目の前にして、興奮と喜びの日々であった。読者の皆さまには、長い間お付き合いくださり感謝と、これからも沖縄物産の海外進出を応援していただきたいと思う。
 (志村正人・県産業振興公社香港事務所長)