【交差点】互相(フーシャン)学習


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 大連の大学の何校かには中国語を学習する留学生と、日本語を専攻する本科生が相互の学習を目的として交流する互相(フーシャン)学習の活動がある。大連外国語学院はこの活動が盛んで、一つの特徴になっている。私もここで学習し、互相を経験した後で本科の茶道と日本語の講師になった。
 本年度の後期に入る今の時期、お互いが帰省や帰国をして戻り、土産の交換をする場合がある。私の吉林の互相は干物の小魚を「母から」と言って渡してくれた。私は福岡空港で買った箱詰めのショートケーキを渡した。(日本のケーキは美しく、おいしいことで知られている)
 次の交流のときに、ショートケーキの数の分の学友を連れてきたから、私は日本について質問攻めに遭った楽しい思い出がある。内蒙古、雲南、福建、長春などの学生がいて、私のイメージの中国地図が一気に広がった。
 現在、本科の日本語会話の授業を終えて廊下を急ぐ私を追い掛けてきて「互相をする日本人を紹介してください」と頼む学生がいる。「自分で探しましょう」と答える。
 互相学習は多くの場合、本科の学生が、中国語学院の校門周辺で待ち構えていて、日本人らしき留学生の一人に狙いを定めて“思い切って”声を掛けることから始まる。
 (池宮城克子 大連外国語学院講師・ウチナー民間大使)