【チャイナ網路】馬英九訪米の成績


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 馬英九国民党総裁が3月29日、米訪問から帰国した。講演や記者会見、米政府高官との会見等を精力的にこなし、睡眠時間3時間の強行日程を縫って、ジョギングまでしてみせた10日間。次期総統としての適性を米にアピールした氏は、どう評価されたのか?
 昨年の民進党党首訪米とは打って変わり、予想以上の高待遇で氏を歓迎した米政府。会談の感触もいい。ゼーリック国務副長官の報道陣を避けぬ様子など、米政府のあからさまな歓迎ぶりには、陳政権へのけん制さえ感じられる。
 何しろ、馬氏が提示した中台政策「5つのDO」がつぼにはまった。平和的交流推進と現状維持を訴えるという、優等生的主張に目新しさはないが、統一綱領凍結で中国を刺激し、米の不興を買った陳総統の「5つのNO」に比べれば、米国の耳には心地よい。
 蒋経国元総統の英語秘書も務めた英語力を駆使し、講演会場から飛び出す奇問、難問には、当意即妙に応答。会場を沸かせる馬氏堂々の戦いぶりに、台湾国内の好感度も急上昇した。帰国直後の支持率は62%に達している。
(渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)