【交差点】少子化問題


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 日本では少子化が大きな問題となっているが、東南アジアで最も発展しているシンガポールでも少子化の波が押し寄せてきている。結婚しない女性の問題や、結婚したカップルでも1人以上子どもをもうけるカップルは少なくなり、社会問題化しつつある。
 私自身も結婚前「子どもは最低3人欲しい。2人以下なら自然の摂理に反する」と息巻いていたが、妻と同様に仕事と育児を両立しながら、疲れ果て「何とか2人できれば十分かも」と考え方が変わってきた。
 シンガポールでは女性も会社で男性同様に責任のあるポジションにいるため、夫婦ともども働き疲れ、ストレスがあることが子づくりに影響している。また、日本同様に幼いころから教育費に費用が掛かり過ぎるのも大きな問題である。
 ただ、シンガポールでは移民や外国人労働者の受け入れに積極的で、人口や労働力問題は日本ほど深刻でもなく、海外から優秀な人材の受け入れで人口は逆に増加しており、外国人メードなどの受け入れで家庭をサポートする体制を整えている。
 実際、子どもを持つ友人のほとんどは住み込みのメードを使っている。わが家では「子どもは自分たちで育てる」方針でメードに子守はさせないで、週に何回か派遣してもらい、掃除や洗濯だけをしてもらっている。2人目ができても、この方針を貫くことができるか、今から大変不安ではあるが。
 (遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)