アーラ、GWまで期待 新しい息吹で活気づく海


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 大地潤おう“うりずん”の季節は海の中も新しい息吹に活気づく。どうやら気の早い魚は産卵を始め、カップリングに夢中になるイカも見られるようになった。魚種によるバラつきはあるが、沖縄の魚の多くは梅雨時に産卵のピークを迎える。浮遊する卵に酸素を与え、増した水量で移動距離を稼ぐのに都合がいいからだといわれている。産卵を控えた魚は栄養を得るため大食いになり釣りやすい。
 南釣友会の仲村直さんは、この時期に水温が23度まで上がると、狙いをアーラミーバイ一本に絞って竿(さお)を出す。日に4度刻む潮の干満のリズムを三つ狙い撃つため、3月27日は昼近くに辺戸岬のポイントに入った。そこで寄せ餌のイワシをミンチ状にして撒(ま)き、丹念に舞台を整え、針先には餌盗り対策に絶大な効果を見せるウツボの切り身800グラムをセットした。
 夕方と夜間の二つの潮には縁がなかったが、午前3時34分、最干潮から動きだした潮に合わせ海の中でも巨体が揺れた。仲村さんは「来ないはずがない」と信じ切り、集中して襲いかかるのを待ったと言う。かくして100センチ、24キロのアーラは吸い込まれるように仲村さんの手に落ちた。「アーラはゴールデンウイークまで期待できそう」と若き大物師は次を見据えた。

【各地の釣果】
◎尾長グレ3・2キロ上がる
 タマン、ガラサー、グレなどお好みの釣りが楽しめる季節とあって那覇港沖堤が活況を呈している。3月28日、宇地原一樹さんは北堤でフカセ釣りを楽しみ、54センチ、3・2キロの尾長グレを2号ハリスで釣り上げた。

◎よく釣れる宜野湾新港
 「実際に竿を出して釣況を判断するから頼りになる」と、釣り客の支持が厚いシーランド宜野湾店の上原光さんは、いま宜野湾新漁港が絶好調だと話す。2日はイケス近くの堤防で40センチのアーガイ、45センチのトカジャーを釣り上げて情報を開示。子供たちには「漁港中央のL字型堤防でネリエにパン粉をブレンドして垂らすといい」とアドバイスを送る。

◎オーマチ記録魚に迫る
 ケラマの磯周りは、この時期天気に恵まれれば釣果はついてくるようだ。3月26日、黒島の離れに渡った新里和也さんは、同チームに所属する与那嶺功さんの持つ県記録にわずか200グラム及ばないものの14キロのオーマチ(アオチビキ)を「するするスルルー」釣法で釣り上げた。

◎休業のおしらせ
 つりぐの米吉は、移転準備のため4月いっぱい休業致します。ご了承ください。
 意見、要望をお寄せください。釣果写真、情報等も幅広く募集しています。
 (新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)

3月25日、屋我地でグルクマやマーエーなど数釣りを楽しんだ玉城大護君
3月28日、那覇沖北堤で54センチ、3・2キロの尾長グレを釣った宇地原一樹さん
3月22日、豊崎海岸でチヌ狙いの5号ハリスで72センチのタマンを釣り上げた宮城勇さん
2日、フカセ釣りの釣果を手に、いま宜野湾新漁港は絶好調と話す上原光さん
3月26日、14キロのオーマチを上げた新里和也さん(左)と小マチでお付き合いした将悟さん