仲村茂樹船長は遊漁船の船頭として3年のキャリアを持つ27歳の青年。そんな仲村船長がいつかは仕留めたいと思い続けた魚、それがキャスティングゲームの最高峰GT(ジャイアントトレバリー・和名ロウニンアジ)である。
自らのホームグラウンドである本部から伊江島海域に船を出し、海底の地形や潮の動きを1年かけて入念に調べ上げた。そして4月19日、新造船「善海丸」に乗り込み、初のGTフィッシングへと出掛けた。
「まずは1バイトを目標にします」と仲村船長は言葉少なに闘志を燃やす。船上のアングラーも負けじと気合十分でキャストを繰り返した。
お昼を過ぎたころに、サンノリー北谷店の佐久川正悟店長に幸運が訪れ、水面を走るルアーにGTが襲い掛かった。強烈な引き込みを見せるGTを、佐久川さんのファイトと船長の巧みな操船で制して無事キャッチ。記念すべき善海丸1匹目のGTをデッキに横たえた。
「最高に興奮しました。夢のようです」と喜びをあらわにする船長。しかし、ドラマはまだ終わらない。その後さらに2匹を追加して、この日は3匹のGTのランディングに成功した。
「お客さまに支えられて勉強し、船頭としてのスキルを身に付けていきたい」。若いGTガイドはあくまでも謙虚に明日への抱負を語った。GTのシーズンはこれから本番を迎える。問い合わせは本部釣り具。0980(47)4495。
(取材・大城耕)
【各地の釣果】
◎渡名喜島尻の五目釣り
名人・小橋川泰三が率いる釣りクラブ「魚楽会」に所属する比嘉毅利さんは、20日、渡名喜島の島尻に渡礁し「するするスルルー」釣法を楽しんだ。午前の下げ潮にアタリを連発させ、根ズレで幾つもバラしながら3キロのアカナー(和名バラフエダイ)や3・6キロのムネアカクチビ、2号竿(ざお)ではハリス3号のフカセ釣りを試み、グルクンやイケガツオ、納竿直前の午後2時には58センチのタマンを浮かせて五目釣りを楽しんだ。
◎タマン激釣
釣りクラブ「GT会」の津波古剛会長は仲間と共に本部のマル秘ポイントに足しげく通う。そこは白昼堂々タマンが竿を曲げ、GTが糸を引きちぎるという。19日はシガヤーダコを餌に付けた28号ハリスに69センチ、4・9キロのタマンが襲い掛かった。同行の仲間は7匹。昨年は10匹で総重量40キロの日もあったとか。
◎夢咲公園前でチンシラー
沖縄市の夢咲公園前は身近な車横付けポイントとして親しまれている。仕事帰りに竿を出す島袋博秋さんはぶっ込み釣りでチヌを狙う。20日、満潮時刻となる19時、活きエビを餌に50センチのチンシラー(オキナワキチヌ)を釣り上げた。今後、同ポイントはカーエーの活性が高まっていくという。
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(新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)
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