日本一のキハダマグロの漁場として知られる久米島のパヤオ。水温の上昇に伴い30キロを超える大型が連日キャッチされている。これらの大物のほとんどはスルルーを使った餌釣りによる釣果であり、ルアーによるアプローチは分が悪いと言われている。しかし、シーランドフィッシングアドバイザーの奥間伸さんはあくまでもジギングにこだわってキハダを狙う。ジギング歴6年の彼にとって今回が4度目の久米島遠征。過去3度の釣行は散々な結果に終わっていた。
「久米島に行けば誰でも釣れる」という甘い考えを捨ててジグやフックの選別、そして切れないノットの研究にいそしんだ。さらに「釣り仲間との釣行でジグの動かし方を学び、マグロを狙うための自分なりのアクションを確立した」という奥間さんには自信がみなぎる。
その迷いのない彼のジギングに魚は素直に応えてくれた。ヒット直後一気に60メートル走った大魚は奥間さんの巧みなリフティングにより、大きな円を描いて静かに水面を割った。35キロのキハダを抱き「今までジギングに誘ってくれた仲間と、この魚に感謝したい」と語る彼の表情には、6年間の苦労が報われた安堵(あんど)の笑みがあふれていた。
(取材・大城耕)
【各地の釣果】
◎再び訪れた巨魚との縁
昨年31キロの大ガーラを釣った時「こんなことは、もうこの先ないかもしれない」そう思ったと話す大城光浩さんは、26日、愛竿「がまくえ100号」を背負ってケラマの奥武6番磯に渡礁。「まさか」と思うからか、氷を忘れクーラーの用意もない。しかし巨魚との縁は再び訪れ140センチ、37・4キロのロウニンアジと巡り合えた。
◎近場の未開地で大タマン
海岸線に車が止められ、なおかつ釣り人にあまり知られていない好条件の好ポイントが恩納村の海岸にはまだまだある。そう話す宮城善久さんのオリジナルポイントは、竿を忘れても次に訪れるまでそのままだと言う。そんな人知れないポイントで通年大型タマンを狙う。19日の夕方も釣り場の岩から上げ潮に合わせてボラの切り身をぶっ込み、72センチ、4・5キロのタマンを釣った。
◎パヤオ若魚入れ食い
例年ゴールデンウイークのころになると、やおら船釣り派が動きだす。気になるパヤオの滑り出しはというと、例年並みの観測。クジラが北上し南からキハダやカツオの若魚が大挙押し寄せている。キハダの成長は早く、1年で50センチ、2年で1メートルになる。座間味沖中層パヤオの4月末現在のアベレージサイズは60センチ前後。その若魚が、26日のタイエイ興産の釣り会で入れ食い状態。これから一潮ごとにサイズアップが見込まれる。
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(新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)
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