イカ族の生態は解明途上にあり、まだまだ多くの謎に包まれている。釣り人に親しみ深いアオリイカにも遺伝的に異なる3種類の型があることが近年わかった。そのうち沖縄には「アカ」と「シロ」の2種類が生息し、アカデミックに区別するようになったが、古くから「シロイカ、アカイカ」と呼び分けたウミンチュの洞察には敬服してしまう。
さて、現在このアカイカが那覇港の沖合水深60メートルに群れ、船からエギングにより狙うことができる。産卵を前にした4キロを超えるものになるとラインを30メートルも引き出すから釣趣は豪快そのもの。甘い味覚も手伝い大いに人気になっている。
「スミを吐かれるとサメがくるので高速で巻き取ることがコツ」。そう話す丸真コウキ丸の操舵(そうだ)を握る越智正春船長はこの釣りのスペシャリスト。数多くのオリジナルポイントに案内している。
1日はグルクン釣りの帰りに立ち寄るマルチフィッシング。福島県から観光で訪れた佐藤孝博さんらは、わずか30分の間に3キロ級を2匹取り込むことができた。例年6月の中旬まで期待できるというから、エギングファンも食いしん坊も挑戦してみてはいかがだろう。(丸真コウキ丸050・3495・6938)
【各地の釣果】
◎平敷屋で大コチ2匹
巨大なオタマジャクシにも見えるミナミマゴチは、その存在を知っていても、釣れると「何じゃ?」と軽いショックを受ける。4日、ボラの切り身でタマンを狙って竿(さお)を出す當真嗣康さんは、上げ潮時に活発な食い気をみせる大コチを2連発で掛けた。見た目には抵抗を感じるが「食べるとおいしい」と話した。
◎辺戸アーラバトルを制す
通年大物を狙って竿を出す赤嶺禎直さんは、過去に6匹のアーラ(ヤイトハタ)を釣っている。4月23日、通いなれたクイシで剛竿を襲った7匹目のアーラは、板バネ(魚の強烈な引き込みで曲がった竿を元に戻す金属製の釣り具)を破壊し、手持ちでのやりとりを強いる猛魚。切り立つ岩肌を背に突き刺さる剛竿の奪い合いに耐え抜くと、34キロの磯の主が漆黒の海にぽっかりと浮き上がった。
◎グルクンは辛抱期
「昨日釣れていた魚が今日も釣れるとは限らない」。今の時期はベテラン船長を悩ませる多くの魚族の産卵期、特に大潮の日は苦戦することが多いという。3日、帰省した真栄城さん一家のグルクン釣りも川のような激流に竿が沈黙。コマセをまけども魚は躍らない。しかし子供たちの気分は天高く舞い上がり、5歳の楓ちゃんは「ずっと沖縄にいたい」と大喜び。
意見、要望をお寄せください。釣果写真、情報等も幅広く募集しています。
(新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/uploads/img4823fe49604e7.jpg)
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/uploads/img4823fe99d83ee.jpg)
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/uploads/img4823fef0f370e.jpg)
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/uploads/img4823ff5f009a1.jpg)
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/uploads/img4823ffa74aa9f.jpg)
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/uploads/img4823fffc685d1.jpg)