秋の魚 早くも現れる シイラ、タチウオ、サヨリ次々


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 今年は秋の訪れが早そうだ。釣れる魚を見ているとそう思えてくる。特に昨年の夏が長く、季節の魚種がなかなか入れ替わらなかったので余計に早く感じる。

 まずシイラのショア(陸)からのルアーフィッシングは、例年だと10月にピークを迎えるのだが、今年は8月の中ごろに開幕するや、ミーニシ(新北風)を待たずして10キロに迫る大型が残波や真栄田岬で飛び出している。
 次にタチウオ。昨年はメーターオーバーが連発したのは11月を過ぎてからであったが、漢那、許田、泡瀬といった「タチ処」では大小が混在する中から「指5本もの」(タチウオの大きさを指の厚みで示したもの)が幾つも上がり、ファンを喜ばせている。サヨリもまた秋を告げる魚だが、夏の盛りのころより多くの港湾に居着いている。
 宜野湾市のメガネ店「メガネの仲里」代表の仲里孝さんは釣り名人で、武道に照らせば師範格。8月31日、娘婿から那覇沖堤で釣ったサヨリやグルクンを土産にもらうや渡堤を決行。次女と2人の娘婿とその姉の目の前でこれぞ釣技というテクを駆使し、サヨリやグルクンを含む10種目、3けたの大釣りを披露した。
 さて今週末、台風接近の影響は回避しがたいが、一過の後、海面水温も下がって海の中は秋の気配が濃厚となりそう。出陣準備を怠りなく。

 【各地の釣果】
◎西崎カーエー型そろう
 釣りクラブ沖縄桜會の喜屋武宗伍さんは西崎一文字でカーエーを狙う。特に暗夜、満干の前後2時間が勝負と話す。2日、上り下りの潮に合わせて就餌する40センチ余りのカーエーを狙い通りに4匹釣り上げた。同所は外テトラでタマン、冬はミナミクロダイやヘダイも狙えるという。
◎古宇利沖ルアーにアーラ
 名護市営球場近くの居酒屋「夕焼市場」のオーナー浦崎康一郎さんは趣味と実益を兼ねて船を出す。8月31日、グルクンを仕入れるために繰り出した古宇利沖は大潮で苦戦。そこで水深80メートルのポイントに移動しジギングを開始すると、24キロのアーラミーバイとの出会いが待っていた。
◎西崎5丁目大ガーラ回遊
 夕刻前、照屋栄考さんは糸満市西崎5丁目の海岸に大物仕掛けをセットする。餌のテラピアをハリスの先に泳がせ、鈴の代わりに魚信を知らせる空き缶を道糸に巻き付ける。4日、仕掛けから離れた照屋さんの耳に空き缶が転がる心地よい音が響いた。自己記録32キロには及ばないが、21・6キロの堂々たるガーラを手にすることができた。
 意見、要望をお寄せください。釣果写真、情報等も幅広く募集しています。
(新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)

8月31日、那覇沖堤でサヨリやグルクンなどを大釣りした仲里ファミリー
2日、喜屋武宗伍さんは西崎一文字で40センチ超のカーエーを4匹釣った
8月31日、浦崎康一郎さんは古宇利沖で24キロのアーラミーバイにジグを食わせた
4日、照屋栄考さんは糸満市西崎5丁目の海岸で21・6キロのガーラを釣り上げた
3日、石川漁港でタマンやチンを大釣りした(右から)桃原章さんと瑞慶覧司さん
6日、古宇利島。嵩元盛識君が初めて釣ったタマンは47センチ、1.5キロ