仲村渠秀次さんという釣り人がいる。新進気鋭の設計士で、顧客の難しい注文をアーティスティックな構造物へと築き上げるので多くの支持を得ている。彼の発想の柔軟さはフィッシングスタイルにも一脈通じるものがある。
彼が竿(さお)を出すのはことごとくが窮屈なポイントだ。海中にはロープが縦横に走り、海底には障害物が山のように積まれている。そんな所こそ魚が寄り付き釣り人が避ける特等席だという。しかし釣り場のくせを逆手に取る発想もあらばこそ釣果を得ることができる。
19日は仕事が引けてから、タマン釣りを始めた釣友と誰もいない本部町で竿を出した。餌は現地モノにこだわってヤマトビーを調達。水深があるのでヒットタイムは「潮が下げに入ってから」と確信。午前2時30分、潮が下げに転ずるや目の覚めるようなアタリが竿を襲った。針掛かりした魚は来た道を逆に狂奔し始める。
障害物の多いポイントはターゲットを大胆にさせ、太仕掛けにも無頓着になる。仲村渠さんは魚に主導権を与えないように16号ハリスを使用していたのだが、魚の激烈なパワーに85キロの身体が何度も海に引きずり込まれそうになった。引きつ引かれつの死闘に終止符が打たれた時、ネットには75センチ、5・2キロの大タマンが収まっていた。
【各地の釣果】
◎多魚種にぎわう熱田漁港
オニヒラアジやミーバイにタチウオ、キス、ミジュンと熱田漁港では今、さまざまな釣りが楽しめるという。18日、金城義正さんは同港のスロープ付近でカーエーを狙って竿を出した。食い渋ったためにハリスを2号に落とすと40センチ級のチヌが連発。
◎残波水上バイクでガーラ
21日、新垣享栄さんは保坂幸さんを伴い、残波岬の沖合で1200ccの水上バイクを駆ってライトトローリングを楽しんだ。狙いのシイラはすっぽ抜けてしまったが94センチ、9・7キロのロウニンアジをキープすることができた。
◎泡瀬キスの数釣り
泡瀬漁港と海邦公園の間の海域で好調にキスが釣れている。20日、釣りクラブオーパ会長の宮平誠さんはマイボートを出し、友人の息子である清水正平君と70匹ほどを釣り上げた。「数釣りは10月ぐらいまで楽しめる」
◎鵜沢氏渡名喜で竿出し
8月30日、ダイワフィールドテスターの鵜沢政則氏が『するするスルルー』釣りに初挑戦した。同釣法の生みの親である與那嶺功さんを案内役に、渡名喜島の島尻でバラハタやヤイトハタの子を釣り上げた。「何が来るか分からない沖縄の海はスリリングで楽しい」
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(新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)
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