沖縄への来訪を機にその魅力に取りつかれる者を沖縄病というらしい。釣りを媒介に感染するケースも多く、こじらせると季節ごとの来訪では済まなくなり、住民票の取得にいたるという。
千葉県出身の鵜飼俊宏さんは今帰仁村の共同体に溶け込みウミンチュのような生活を送っている。釣果便りにそそられるとシンプルな荷物一つで県内の島々を釣り歩く。彼はこのひと月、与那国島に滞在し毎日を海で過ごしている。
朝は南牧場線の釣りポイントを回り、陽が出ると素潜りで魚と戯れる。夕方からサンニヌ台で竿(さお)を出して、雲行きが怪しいと祖納の防波堤で夜釣りを楽しむ。「どの魚も本島産とは普通にガタイが違う」と目を見張る。
今度の与那国では今井りほさんという釣りのお供がいたのだが、これまた神戸から来た沖縄病のお嬢さんであった。沖縄旅行で釣りを覚え、神戸でも釣りをしないではいられなくなったとか。5日の夜、彼女は持参したバスタックルで祖納港の防波堤で垂らし釣りに興じたのが、アタリは頻発するもののバスタックルでは歯が立たずバラシも連発し、しまいにはロッドを折られてしまった。「トガリエビスが40センチもあるのだから無理もないよ」と鵜飼さんはねぎらった。
【各地の釣果】
◎那覇港で五目釣り
中学2年生の仲間洸太君と西里友宏君は夕方、学業の疲れを釣りで癒やす。15日は餌釣りでコトヒキやヒイラギ、テンジクカレイにカマスを釣り、ルアーで60センチのタチウオを釣って5種目を達成した。
◎船長グルクン競う
体験フィッシングでおなじみの太公望は17日、親交を兼ねて船長たちのグルクン釣り会を行った。荒天で数は伸びなかったが30センチを超すヒラーも交じるなど盛り上がった。釣果のグルクンは八重瀬町の特別養護老人ホーム『ときわ園』に寄贈された。
◎伊計島マクブ7・9キロ
「伊計大橋のたもとは魚がいるのは分かるが流れがきつくて釣りづらい」。そう話す釣り人は多いが、中村勝仁さんは捨てオモリを確実にポイントに打って流れを攻める。15日は夕方の潮が上げに入るや、71センチ、7・9キロの大マクブがガツンと食ってきた。
◎真栄田タコ餌でタマン
各地でタマンの乗りが良い。釣れる潮加減や時間帯は釣場によって異なるものだが、就餌活動で接岸したところを狙うので餌は現地モノに勝るものはない。15日未明、高坂雅也さんは真栄田魚港近くの海岸で干潮時に捕獲したシガヤーダコを餌に65・5センチ、3・88キロのタマンを釣った。
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(新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)
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