一文字でフカセ釣り 確かな技術の女性釣り師


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 昨今ではどこの釣り場へ行っても竿(さお)を握る女性の姿は珍しくない。釣りを始めたきっかけはどうあれ、その面白さに本格的にのめり込む女性は多い。照屋江利子さんもその一人で、堤防からの釣りはもとより慶良間の荒磯にも通う本格派である。彼女は今、フカセ釣りにはまっている。11月3日早朝5時、カツオやツムブリといった回遊魚が釣れている那覇港沖の堤防、通称「那覇一文字北堤」に渡った。

 この日は風はなかったものの、時折バケツをひっくり返したような豪雨が降る厳しい天候であった。そんな中、仕掛けを送っていた照屋さんの竿に待望のアタリがきた。
 フカセ竿がきれいな弧を描く。きゃしゃな体で必死にやり取りをする女性アングラーに周囲の男性陣も声援を送る。数分後、水面に現れたのは2キロほどのスマガツオであった。その後もツムブリやイラブチャーなどを釣り上げ、周囲の男性釣り師も顔負けの釣果に、彼女の確かな技術を知る取材となった。今後も注目したい女性アングラーだ。
(取材・仲栄真修)

【各地の釣果】
◎夢咲ウマヅラアジ連日
 夢咲公園前の釣り場へ通う上江洲安栄さんのお目当てはウマヅラアジ。体高があって引きは強いが警戒心もあり、上江洲さんによると「ハリスが太いと食わないし細いと捕れない魚」。5日午前10時30分、6号ハリスにヒットしたのは78・5センチ、3・6キロであった。

◎糸満ガーラ19キロ
 「西崎の海は遠浅でガーラの餌が豊富なのだろう」。そう話す大城満さんは、浅場で捕食するガーラの背ビレが海面に出ているのを幾度も目撃している。7日、釣ったテラピアを餌に泳がせると、116センチ、19キロのガーラが食いついてきた。

◎渡嘉敷沖カンパチ16キロ
 丸沖つりぐの勝船長は慶良間の磯へ釣り人を渡し終えると、待機する時間を利用して沖釣りポイントの開拓にいそしんでいる。10月25日は浅場で釣ったグルクンを120メートルの深場で泳がせると、115センチ、16キロのカンパチが食ってきた。

◎鈍感釣法で大型カーエー
 ここ2週間ほど大型カーエーの釣果情報が本島南部に集中している。港川や志喜屋、三重城などいずれも45センチ級の実績が光る。8日、安里健一さんも南部で46・5センチ、2・06キロのカーエーを鈍感釣法で釣ったが、竿を折られながらの格闘に苦笑い。

 鈍感釣法・魚の食いを明快にするためオモリ負荷を減らしてウキの浮力を余すこと。カーエー釣りの名手であるキセキレイさんこと玉城正一さんの考案。

 意見、要望をお寄せください。釣果写真、情報等も幅広く募集しています。
 (新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)

3日、那覇港沖の北堤で次々に魚を取り込んだ女性釣り師の照屋江利子さん
5日、上江洲安栄さんは夢咲公園前で生きエビを餌に3・6キロのウマヅラアジを釣った
7日、西崎でテラピアを餌に116センチ、19キロのガーラを釣った大城満さん
25日、渡嘉敷沖で16キロのカンパチを釣った丸沖つりぐの勝船長
8日、安里健一さんは鈍感釣法で46.5センチ、2.06キロのカーエーを釣った
10日、大里晃さんは夢咲公園前で51・4センチ、2・4キロのチンシラーを釣った