【チャイナ網路】大陸からきたボス


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 昨年、台湾のケンタッキー・フライドチキン開発部副総裁に就任し、わずか5カ月で過去2年を上回る実績をたたき出した虞国偉氏(42)。経済誌「商業周刊」は今月、彼のように台湾で高級管理職を務める、すご腕の中国出身ビジネスマンを特集している。
 中国では開発部総裁として、人口25万人の町に出店し、世界最高の売り上げを記録した虞氏。徹底的に足で稼ぐ情報力と「ナンバーワンかつオンリーワン」という絶対的勝利のみを追い求める、執念とパワーは常人の域を超える。
 台湾の大陸出身者に対する就業解禁は3年前だった。いまだ数は多くはないが、文革とし烈な競争に勝ち残った彼らだからこそ持ち得る、高度な専門技術とハングリー精神に注目が集まっている。
 自社の人間さえ信じない根強い人間不信という、彼ら文革世代に共通する欠点はある。が、社内の不協和音をよそに、台湾経営陣の信頼は揺るがない。台湾企業に“活”を入れるべく大陸から迎えられたボスたち。台湾人の当惑に同誌は、「生き残りたかったら適応せよ」と厳しい。
(渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)