冬はタチウオ狙い 探りのバリエーションを


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 タチウオは、沖縄に秋の訪れを告げる魚である。秋から冬にかけてトップシーズンを迎えるこの魚の釣果報告が、12月に入り各地から勢いよく聞こえ始めている。例年に比べて少し遅めのシーズンインとなった今年の気になる釣果は、大物のヒットこそ少ないものの、安定し数釣りが楽しめる傾向にあるようだ。

 12日、タチウオどころとして知られる東村の東漁港で竿(さお)を出した。まずはミノープラグをキャストし中層をゆっくりと引いてみたが、数投してもアタリがない。そこでルアーをバイブレーションにチェンジしてキャストを繰り返した。が、またしても魚からの反応はなかった。
 次にルアーの泳層を1メートルほど浅くしてみた。すると「ガツガツ」という前アタリの後にルアーをひったくるようにして魚がヒットした。上がってきたのは94センチの良型のタチウオだった。このように、ルアーを巻くだけの釣りと思われがちなタチウオ釣りも、ルアーやレンジの選択によって違った答えを導き出すことができる。
 この日は、もう2匹のタチウオを釣り上げて竿を納めた。これから寒くなるにつれて、県内各地の漁港でさらなる釣果が期待できそうだ。(取材・大城耕)

【各地の釣果】
◎喜屋武沖流しにバショウ
 10日、上原繁さんは喜屋武沖の水深140メートルを釣り船「美咲都丸」で流し釣り。午後2時ごろ、中層でわずか3センチのオキアミにヒットした魚の加速が止まらない。あっという間に糸を200メートルも引き出され、船は追跡劇。慎重に寄せては豪快に走られること30分、やっとの思いで取り込んだのは、268センチ、29キロのバショウカジキであった。
◎金武発マジク情報
 本島中部太平洋岸でシーズンを迎えたヨナバルマジク(タイワンダイ)が、型、数ともに調子がいい。11日、親川辰夫さんらは釣り船「第三こなみ丸」で金武沖30メートルを探り、50センチ近い良型を連発させた。運が良いと金武湾を迷走中の10キロ級のキハダにも巡り会えるという。マジク釣りは北風が強くなる今後にますます有望となる。
◎西洲イカ3キロ級
 イカ肥ゆる季節、アオリイカの魚体がとうとう3キロに迫った。14日、西洲の防波堤内海でエギを振る荒木貞征さんに2・99キロが乗った。リーダーは1・5号、オレンジ色のエギ3・5号にはアワビシートを張り付けると効果は絶大で「大潮の干潮から上げにかけて深いポイントを探ると大型が乗るようだ」と話す。
 意見、要望をお寄せください。釣果写真、情報等も幅広く募集しています。
 (新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)

12日、東漁港でタチウオのルアーフィッシングをリポートする大城耕
10日、12号ハリスのオキアミ餌にヒットした29キロのバショウカジキと上原繁さん
11日、金武沖で「冬の貴婦人」ヨナバルマジクを数釣った親川辰夫さん
14日、荒木貞征さんは西洲の内海で2・99キロのアオリイカを乗せた
2日、比嘉善康さんと山城薫さんは残波のゴルフ場下でシイラのルアーフィッシング
14日、建本悠介君と真里ちゃんは馬天港でお父さんとミジュンの数釣りを楽しんだ