【交差点】バイリンガル教育


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 息子のKOAも早いもので2歳になった。毎日、簡単な新しい言葉を話すようになり、非常にうれしい限りである。KOAは英語を母国語として育てる方針ですべての基本となる英語をしっかりと教えるために、私も英語の発音や文法に今まで以上に気を使い始めている。ただ、父親が日本人であることや、育つ場所がシンガポールということを、最大限に生かせればと考え、日本語と中国語の学習環境をつくることも心掛けている。家族みんなの時は英語、私と2人だけのときは日本語、妻と2人だけのときは中国語、教育用ビデオや教材も英語を中心に3カ国語そろえている。
 最初は英語と日本語が混乱しているような時期もあり、すべてが中途半端になるのではと心配していた時もあったが、子供というのは未知の能力があるのだろうか、最近は自然に使い分けているようである。
 ベビーケアセンターでも英語環境で、中国人の専門の先生の下で中国語にも親しんでいる。難しいのが日本語、基本的に日本語を教えるのは私1人なので責任重大である。ただ、妻とも話し合っているが、KOAの母国語はあくまでも英語、中国語と日本語は付録のようなもので興味があるのなら習得すればよいことで、語学習得が彼の重荷にならないようにすることだけは常に注意している。幸いなことに、今の段階では日本語にも非常に興味をもっており、しきりに本を読んでくれとせがまれる。仕事を終えて帰宅し、子供に本を読んで上げるものなかなか大変なことではあるが、KOAとのコニュニケーションは嫌な事や問題などを忘れさせ幸せな気分になる。私にとってもこれ以上の気分転換はない。(遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)