痛恨大タマンが逃亡


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 魚はよく逃げる。水中で仕掛けを破壊することもあれば、足元まで寄せながら糸を切ったり針を伸ばしたりすることも日常茶飯事だ。特に水面近くでは外界の光におびえて死に物狂いの抵抗をみせる。魚に逃げられ悔しい思いをしたことは釣り人なら誰にもあるだろう。だがキャッチした後に逃げられるとなると、それはもう、やるせない。釣り師痛恨の悲運は5月30日に起こった。
 本部町で居酒屋『くぇぶぅ』を営む仲宗根幹男さんが釣り上げたタマンの体長は75センチを超えていたという。釣り上げた後、えらぶたからストリンガーを通して水中にキープ。好潮が続くので釣りを続行し、魚が逃げたことは納竿(のうかん)の時まで気付かない。留め金が甘かったのか、魚が暴れてバネを押し上げたのか。参加していた釣具店のダービーはその日が最終日。捕っていたら栄誉が待っていた。
 翌日から仲宗根さんのリベンジ釣行が4日間にわたって続いたが胸のすくアタリはなかった。10日ほど間を置いた14日の午前0時、ついに愛竿が悲願の魚信をとらえた。逃げた魚よりは少し小さいが、留飲を下げるに十分の70・8センチのタマンであった。雷雨の中、釣友と手を取り合って喜びを分かち合った。

【各地の釣果】
◎沖堤ガラサー4・8キロ
 石物師の齋藤正美さんは11日、那覇沖南堤防で67・8センチ、4・86キロのガラサーミーバイ(イシガキダイ)を釣り上げた。同エリアでは10キロ級の超大物もダイバーによって目撃されているという。

◎タカバーミーバイ12キロ
 沖釣りポイントの至宝・スーガマの流し釣りに参加した西田吉嗣さんは7日、91・5センチ、12・1キロのタカバーミーバイ(ツチホゼリ)を釣り上げた。「1投目に来て幸先は良かったがその後は最後まで食い渋った」

◎グルクン上り調子
 宜野湾市にある沖縄テラス産業(知名朝平代表)は11日、船組と堤防組に分かれて釣り会を行った。船組は儀志布島の周りで中型のグルクンを大漁し、堤防組は渡嘉敷一文字で25センチ大のエーグヮーとヤマトミジュンをあきれるほど釣り上げた。

◎宜野湾新港カーエー大型
 古波蔵和由さんは10日、前日に釣友が44センチのカーエーを釣った宜野湾新港で、それを上回る46センチ、2・42キロの大型をあげた。「同サイズが群れるはずなので」と、してやったり。

◎お知らせ
 当釣りコーナーのウェブサイトが間もなくオープンします。写真やリポートなど皆さまの『釣り自慢』をメールでお寄せください。desk@shimpo―apc.com
 取材のリクエストや要望をお寄せください。レポート、釣果写真も募集しています。(新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)

70.8センチのタマンを釣った仲宗根幹男さんと娘の萌子ちゃん
12.1キロのタカバーミーバイを釣った西田吉嗣さん
釣り会を楽しんだ沖縄テラス産業釣り愛好会
2.42キロのカーエー釣った古波蔵和由さん
4.86キロのガラサーミーバイを釣った齋藤正美さん
中村恵美さんと21キロのガーラ