【チャイナ網路】台湾という“宗主国”


社会
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 台湾政府は先ごろ、沖縄にある「中琉文化経済協会駐琉球弁事処」を、本土の「台北駐日経済文化代表処」に統合し、同処の「駐琉球弁事処」とすると発表した。これでやっと沖縄も、“日本並み”の扱いを受けることになる。
 これまで台湾政府は、沖縄の本土復帰に際し、日本が台湾の承諾を経なかったとして、不快感を示してきた。なにしろ台湾は、琉球王国の宗主国の流れを組む政権。そもそも「沖縄」も、明治政府が勝手に改称したという立場のため、台北国際空港からはいまだ“沖縄”ならぬ、“琉球”行きの飛行機が飛んでいる。
 今回の措置に対する、台湾国内の反応も面白い。特に、大学時代、沖縄出身の同級生と親しく、台湾政府の沖縄出身者に対する熱い支援と本土復帰の実態を知る、中国時報・荘佩璋記者の論評は秀逸だ。
 親日的な李登輝氏も、独立を掲げる陳水扁総統でさえ、実に18年にわたり“宗主国”の地位を放棄しなかったと批判。実のところ、沖縄のとらえ方では似たり寄ったりの台湾と中国は、「いまだ伝統的な帝国主義を脱していない」と舌ぽうも鋭い。
(渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)