【中国時報】大江健三郎氏、来月初の訪台 自身の「贖罪の旅」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 大江健三郎氏は10月5日、初めて台湾を訪問する。これは大江氏側からの要請によるもので、これを受け、台湾の国立中央研究院は、シンポジウムの開催を決定。大江氏が基調講演する。大江氏はこれまでに9回訪中しており、台湾からの訪問要請もあったが、日程調整が難しく、実現していなかった。

 講演では、自らが今後、アジアのために行う「晩期の仕事」について語る。中央研究院関係者によると、氏は日本の軍国主義を強く糾弾してきた人物であり、今回の訪台は、中台の学術交流の促進を呼び掛けるものであると同時に、自身の「贖罪の旅」という一面もあるとしている。
 シンポジウムでは、魯迅の大江文学への影響など、13本の論文が発表される。また、これに先立ち、中央研究院では9月29日から、大江健三郎文学展を開催することになっている。