釣り魚「快眠活魚」に


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 この夏、那覇市安里に「おさかなカフェ」という飲食店がオープンした。店主の屋良修さんは釣り好きで、釣り人の特権である釣りたての味覚を食卓に持ち込めないかと追求する過程で「快眠活魚」に出合い、開店させたのである。
 「快眠活魚」とは針一本で魚を眠らせる技術のことで、そうすることで鮮度を長時間保持することが可能になる。さらに眠らせた状態で血抜きをして神経を抜くと味覚も格段にあがる。生きているうちに処置が必要なことから、屋良さんは今日も海に出る。県魚グルクンへの思いはひときわ強く、ホームの宜野湾沖ではもっぱらその影を魚探に探す。
 宜野湾市沿岸にはガチュンやミジュンといった回遊魚が絶えず、秋チヌやタチウオなども活性化している。7日、それを裏付けるようにマリーナ沖の小さなそねは好反応で、仕掛けを落とすたびに2匹、3匹と掛かってきた。実釣2時間で十分な釣果を得ると、1匹1匹を丁寧に眠らせていく。水平線に落ちる立冬の日の夕陽を見る屋良さんは、「沖縄の釣り人で良かった」としみじみとつぶやいた。(おさかなカフェ(電話)098・988・1880)

【各地の釣果】
◎夢咲公園前ジグでガーラ
 島袋盛重さんの狙いはいつでもミーバイだが、状況に応じて繰り出す用意に抜かりはない。6日は夢咲公園前の海岸で竿(さお)を出し、ガーラが騒ぐと見るや極小ジグをキャストし、60・5センチ、2・3キロを頭に2匹のガーラをキャッチした。

◎三重城ガーラ回遊中
 「タチウオを狙うガーラが回遊している」。そう話す外間直人さんは、今秋早くも4匹の大ガーラを釣り上げている。4日、三重城港の外堤先端から愛竿の沖縄スペシャル8号に活ボラを仕掛けると午後8時に12・3キロを、30分後には13・9キロを食わせた。

◎沖堤フカセで食い活発
 那覇港の沖堤防はフカセ釣りの好機を迎えている。月に1度渡堤するという瑞慶山さん親子は4日、新堤をチョイス。午後2時の時合に40センチ超えのアーガイをはじめアイゴやトカジャーを次々に釣り上げた。ハリスは3号、オキアミ餌。

◎辺戸岬アーラ38キロ
 総重量90キロの荷を背負って荒磯を行く久場良竜さんが5日、辺戸岬の灯台下で38キロのアーラミーバイをかけた。剛竿がまくえ100号を3本出し、うち2本にはアーラの特餌とされるダツの1匹掛けを、もう1本には冷凍サバを掛けた。果たして午後7時30分、アーラはサバを食ったのであった。

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 (新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)

4日、三重城港で12.3キロと13.9キロのガーラを釣った外間直人さん(右)と津波古さん
4日、那覇港沖新堤でお父さんとフカセ釣りを楽しんだ瑞慶山大貴君
5日、辺戸岬の灯台下で130センチ、38キロのアーラを釣った久場良竜さん
7日、宜野湾沖で良型グルクンに破顔一笑する熱い男の屋良修さん
6日、島袋盛重さんがジグに乗せたガーラ。写真は息子の翔君
6日、大山海岸で40.4センチ、1.21キロのカーエーを釣った末吉孝司さん