新発想でタチウオ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 小禄南小学校6年生の金子拓人君と、同4年生の由梧君兄弟は大の釣り好き。9日は運動会の翌日で振り替え休日となったため、家族で糸満市西崎の製氷機前に釣りに出掛けた。
 ここは糸満でもタチウオの好ポイントとして有名で、釣り人の姿が絶えない。ルアーやキビナゴ仕掛けでベテランや常連の大人たちがワイヤ仕掛けでタチウオを狙う中、兄弟のタチウオ狙いの仕掛けは、かなり変わっていた。
 ハリスはワイヤではなく、フロロカーボンの5号を使用。餌は生きエビで、竿(さお)下に仕掛けを下ろした後、激しく竿を上下させる。風変わりな釣り方に、周りのベテランたちも最初は笑って少年たちの釣り方を見ていた。ところが釣れるのはベテランではなく2人の少年だけなのである。セオリーにとらわれない少年の自由な発想が、食い渋るタチウオを釣り上げ、運動会で頑張ったご褒美となった。(取材・仲栄真修)

【各地の釣果】
◎ケラマ磯はいまだ夏
 荒海の最中に立つナカチンジは渡磯の条件こそ厳しいが、渡ることができれば爆釣に沸くことも多い。8日、沖縄グレ研の玉城裕之さんらは激流を攻略してターゲットを浮かし、グルクンやハギ類など100匹近くを取り込んだ。しかし冬季の磯の主役にお目にかかれず「満足度は半分」

◎二見サーフで3連発
 釣りクラブ高磯会の徳田誠さんが見つけた名護市二見のサーフは駐車場から20メートルという省エネポイント。前回はまったくアタリがなかったが、その便利さに再び訪れた8日は、下げ潮にアタリが集中し6・3キロのガーラや6キロのムネアカ、3キロを超えるタマンの3連発とにぎわった。

◎西崎コチ75センチ
 グロテスクな容姿のコチは時にビギナーを驚かせるが、當間環さんは釣りの師匠で義父の宮城盛隆さんが好物というコチを狙う。8日、釣友らが海面で騒ぐガーラを物にしようと竿を出すなか、當間さんは海底のコチに仕掛けを送り、75センチの大コチを手に入れた。

◎辺野古大型キス連発
 美しさが再認識される辺野古の海。その漁港の船道でチヌを狙う金城勝彦さんは、行く度に大型のキスを釣り上げている。3日は29・3センチ、240グラムと同サイズをもう1匹釣り、15日にも25センチを2匹あげた。だが「狙いはチヌなので」と当人は複雑なコメント。

 取材のリクエストや要望をお寄せください。釣りリポート、釣果写真も募集しています。(新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)

9日、西崎でちょっと変わったタチウオ釣りを披露した金子拓人君と由梧君兄弟
8日、二見のサーフで6.3キロのガーラなどを釣り上げた徳田誠さん
8日、ケラマの名礁ナカチンジで夏魚を大釣りした玉城裕之さん(右)と大城朝弘さん
8日、西崎でメッキを餌に75センチの大コチを釣った當間環さん
12日、海中道路で3・3キロのクブシミを釣った比嘉栄二さん
辺野古漁港に行く度に大型キスを釣る金城勝彦さん。写真は3日の29・3センチほか