激闘、クブシミ7.97キロ


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 磯場でイカを狙う仲原伸一さんのA級ポイントは北向きに位置するため、冬場は入るチャンスが限られる。11日は南風。読谷一帯を探る仲原さんは月の出を待ってから磯に立ち込み、市販物に改良を施した銀色の4号エギをキャストした。
 ターゲットはアオリイカ。サイズは時季的に1キロから2キロくらいのイメージか。メーンラインはPE1号、リーダーはこの日に限って2号しかなかった。夜の磯場でこの強度は心細く、2キロ近いイカが乗れば繊細な駆け引きを余儀なくされる。だが、着底したエギを強襲したのはそんな生易しい相手ではなかった。重量任せにラインをひったくり、システムを壊しにかかる。
 手痛い衝撃を受けながら、仲原さんは過去に一度だけ同クラスの相手に苦汁をなめさせられたことを思い出した。あの日はリーダー5号で組んだシステムを過信し、引っ張り合いに応じたところこともなく引きちぎられてしまった。正体はクブシミであった。
 その教訓は生かされ、ラインは引くだけ出させ、機を見て無理なく巻き取った。未明の漆黒の海でしのぎを削ること30分、仲原さんが激しい消耗戦についに耐えぬいた時、7・97キロのクブシミが巨体を揺らして足元に引き寄せられたのであった。

【各地の釣果】
◎瀬底大橋イカ2・4キロ
 瀬底大橋の上からイカを狙う前田拓さんはタフな釣り人だ。ヒットしたイカを巧みにコントロールしては橋の上から砂浜に引き上げ、車で橋を下りて回収に駆け付ける。9日午前1時30分、ヒットしたイカはこれまでにない大物でコントロールは容易ではなかった。波打ち際で暴れて浜にはなかなか寄せられず、おまけに風が邪魔して橋げたにラインを巻き付けてしまう。ところが不思議。ここで潮流が変わり、ラインを解いてイカを浜の方向に押し出していく。約30分のストレスを伴うやり取りの末、2・4キロの大物は無事に浜の上に引き上げられた。

◎GFC地区代表に玉城さん
 がまかつファングループによる「GFC杯争奪全日本地区対抗グレ釣り選手権」の沖縄地区決勝戦が6日、ケラマの磯で予選を勝ち抜いた8選手によって行われた。勝負は3匹の総重量で競われ、2・72キロを釣った玉城裕之さんが優勝。2位には1・75キロの糸数光弘さんが入った。2人は平成22年度の地区代表となる。

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 (新報アングラーズペンクラブ・佐久川政一郎)

9日、瀬底大橋から2・4キロのアオリイカを釣った前田拓さん
6日、奥武6番磯でコンスタントに釣果を伸ばし沖縄地区代表を決めた玉城裕之さん
13日、ケラマ堆で130センチ、9・2キロを頭に大型アカマチを9匹釣り上げた玉元善英さん
11日、読谷の磯で7・97キロのクブシミを2号リーダーで釣った仲原伸一さん
13日、安謝のサイロ近くで61.4センチ、2.97キロのタマンを釣った福田順野さん
6日、屋我地のボート釣りで27.5センチのキスを釣った新里ファミリー