【交差点】香港―沖縄直行便


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 香港と沖縄を結ぶ直行便が運休して3年が過ぎた。以来、県や当事務所も運航再開に向け取り組んでいるがいまだ実現には至っていない。
 直行便の就航には、両方の政府と航空会社を説得する必要があるが、無論、航空会社の意欲が大前提となる。世界的に航空各社の競争はし烈で、採算の合わない路線は維持することさえ困難だ。香港でも沖縄のリゾート地としての魅力は評価されており、アクセスの不便さが一層悔やまれる。
 香港は土地が狭く旅行といえば海外旅行だから、旅慣れている人が多い。その上、一人当たりの所得もアジアでは日本に次いで第2位である。香港は日本本土に匹敵する魅力的な市場だ。
 香港―沖縄直行便はわずか2時間で沖縄と香港を結ぶ。知名度も上がり、県産品の販売にもチャンスが広がるだろう。沖縄への旅で味わったものを香港でも買いたい、本場の味を求めて沖縄に行きたいという需要を喚起することも可能だ。これまで本土市場では観光と物産の相乗効果がうまく働いてきた。海外でも同じことができないだろうか。
 最近、泡盛業界と観光業界が連携を図る動きもある。ここはオール沖縄で頑張りたいところ。今、香港市場の開拓に最も必要なのは直行便だと自らの尻をたたいている。
(宮城石(つよし)・県産業振興公社香港事務所長)