【中国時報】大幅ベースアップ 世界経済に影響か


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 中国に進出している台湾系最大手企業・富士康(ファックスコン)が、労使問題の解決策として、大幅なベースアップを決定。他社にもその波紋は広がっており、米紙ニューヨークタイムズは、中国製品のコストアップが「世界的なインフレにつながる」と憂慮している。

 富士康では今年3月から自殺者が続出し、雇用待遇への批判の声が高まったため、短期間に2度のベースアップを決行。給与を900人民元(約1万2千円)から1200人民元(約1万6千円)にアップ。社内試験に合格した者は、さらに2万人民元(約2万7千円)への昇給を約束した。
 この金額は、中国で最も給与水準の高い、東部沿岸地区の1120元を上回る。西部地域では都市部でも800元程度だ。同社のベースアップと労働者の権利意識の上昇に、同業他社も戦々恐々としており、工場移転を検討する企業も出てきている。