【交差点】出発ゲート


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 7月にオープンしたチャンギ空港店は好調で順調なスタートを切ることができてまずはホッとしている。
 予想したとおり、利用者は、世界中の中流階級以上の旅行者で高額商品の売れ行きは市街地の他店よりもいいのが特徴であり、まずニンマリ。中でもシンガポールやインドネシアの上流階級の購買力はかなり強力である。
 イギリスでのテロ未遂事件後はセキュリティーチェックが厳重になり、機関銃を抱えた兵士の物々しい見回りが行われ、1週間、売り上げが落ちたが1週間後は通常の売り上げに戻り、ホッとしている。
 オープンしてから最初の1カ月はほとんど毎日、朝7時から夜の11時まで店に張り付き販売を行っていた。
 弊店は出発ゲート、出国審査のすぐ前に位置するため、毎日、毎時間、見送りに着ている人たちと旅行者のさまざまな別れのドラマが目の前で繰り広げられる。
 恋人たちの目のやり場に困るくらいいちゃいちゃした別れ、家族の涙の別れ、友人たちの、門出を祝う喜びの別れなど、真の別れのドキュメンタリードラマが常に繰り広げられるのである。
 私も沖縄、香港、中国、ベトナムで同じように友人たちと同じような別れが会ったなと思い出がこみ上げてくる。しかし、人生、別れがあれば、出会いがあるもの、真下の1階の到着ゲートでは毎日、逆に数々の出会いのドラマが繰り広げられているのである。空港というところは非常に面白いところである。
(遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)