安里貫禄 涙のV4 第19回おきなわマラソン


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女子競技部門で大会初の4連覇を果たした安里真梨子(豊見城市)=20日、県総合運動公園陸上競技場

 第19回2011おきなわマラソン(主催・中部広域市町村圏事務組合、琉球新報社、沖縄陸上競技協会、県総合運動公園指定管理者トラステック、沖縄テレビ放送、共催・県、県教育委員会、県高校体育連盟)は20日、沖縄市の県総合運動公園を発着点に中部一円を巡る42・195キロで行われ、競技の部男子は仲間孝大(豊見城市)が2時間25分53秒で初優勝し、同女子は安里真梨子(同)が2時間46分55秒で4連覇を果たした。

市民マラソンの部男子は須永義伸(埼玉県)が2時間28分52秒、同女子は川畑さくら(浦添市)が3時間9分41秒でそれぞれ頂点に立った。

◆重圧越え快走/マイペース守る
 4連覇を果たした安里真梨子(豊見城市)。ゴール後は「マラソンを走り終わって初めて泣いた」。昨夏には初めてのスランプに陥り、「陸上をやめよう」と考えたこともあったという。それを乗り越えての優勝だった。
 昨年3月、沖縄国際大を卒業。実業団という選択肢もあったが、「県内で結果を出す」と宣言し、沖縄に残った。昨春までは絶好調だったという。
 6月に急に走れなくなった。後輩の指導を兼ねていた沖国大での練習にも足が向かなくなった。全く走らない時期は2カ月間続いた。
 「勝たないと駄目というプレッシャーを知らない間に背負い込んでいた」。心機一転を図るため、練習環境や師事するコーチを代えた。ゆっくりと持ち直し、10月から走り始めたものの、万全とまでは言えなかった。
 レースは昨年同様、江崎由佳(福岡県)との争いだった。昨年は10キロの勝連城跡付近の上り坂で引き離した。ことしは27キロ付近まで追われ続けた。それでも「結果にこだわらない。抜かれてもいい」と、自分のペースを乱すことはなかった。肩の余計な力が抜けた。昨年とほぼ変わらない2時間46分55秒で走り切った。
 「今回はスタート位置に立てただけで満足でした」。涙の後、満面に笑みを浮かべ、そう語った。(久田尚志)