【交差点】夢の達成


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 皆さんは子供のころ、どんな夢を持っていましたか?
 私の幼稚園のころの夢はお菓子屋さんになること。理由はお菓子が腹いっぱい食べられるから。高校生のころは赤点ばっかりで卒業も危なかったくらいなので、自分でバーを経営してバーテンダーになるのが夢だった。何とか大学に入り、無我夢中で頑張っているうちに夢や目標は変わり、進化していった。
 起業してから、昔から好きだったファッション関係の小売業を始めた時は、大学院を卒業してまでどうして、そんなことを? 銀行を辞めて、どうしてそんなことを? ほとんど100パーセントの人々が首をかしげる。
 しかし、商社や銀行に入ったのも起業の準備であったし、他人の価値観でなく、自分にとって価値があると思うことを達成するために自分自身を鍛えるためであった。
 先月、小売店を3店舗経営して軌道に乗ってきたので、新規事業として飲食業に進出した。いくら、子供のころ、お菓子屋さんやバーテンダーになりたかったとはいえ、飲食業の経験もノウハウもない。
 そこで、小さい規模ではあるが会社の買収を行った。好立地ではあるが経営が思わしくないカフェを探し、買収交渉を行った。数社と交渉の末に、経営権が移った後のコンサルタント契約、業者紹介、スタッフ引き継ぎなどを条件に買収を決定した。
 一夜にして機材、スタッフ、常連客が弊社のものとなったわけである。世界規模で企業買収が活発に行われるのも無理はない。カフェではケーキやパイの販売もしているし、新しくワインや酒の販売も始める。
 私は子供のころの夢をかなえたのである。次は、このカフェを買収以前の何倍も魅力ある場にすることに夢を注ぐ。
(遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)