【中国時報】金門戦跡を世界遺産に 台湾政府 申請を計画 住民の賛同少なく


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 台湾政府は、かつて対中国戦の最前線基地として軍事的重要拠点だった金門島の軍事設備を世界遺産に申請することを計画。住民と軍の理解を求めているが、いずれの理解を得ることも難しく、もくろみは空転状態に陥っている。

 金門島の戒厳令が1993年、台湾本島に数年遅れて解除されると、住民は島のあちこちにあった反共や愛国のスローガンを次々と撤去。軍も県政府などの圧力を受け、トーチカや防空壕などを破壊し、病院の住民との共用も始めた。
 一方、政府の文化建設基金会は、戦跡を観光資源とした地域振興を行うべく、世界遺産登録運動を始動。しかし、賛同する住民は少なく、必要な学術調査も、地元の金門大学に主導権が与えられてないなど、問題はいまだ山積している。