【チャイナ網路】客家のゴーヤー


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 「宴席には出せない田舎料理」と言われてきた客家(はっか)料理だが、近年その素朴な味わいが受けている。台北にも客家料理店が次々オープン。今夏台湾では全国の一流ホテルで「客家料理フェスタ」が開催されるなど、ますます注目のグルメなのだ。
 梅干扣肉、薑絲大腸、客家小炒など、人気の客家料理は少なくない。数百年間にわたる流浪の歴史を越えてきた“中国の中のユダヤ人”ともいわれる客家人。その苦労人気質ゆえか、塩漬け等の保存食を多用する。塩が少々キツイのが玉にキズだが、正真正銘のスローフードなのだ。
 客家風ゴーヤーいためとでもいうべき「鹹蛋苦瓜」の「鹹蛋」は、なんと塩漬けの生タマゴ。イチから作れば1カ月以上かかるという超スローフードだ。サラリとした口当たりと独特のうまみがクセになる。
 作り方は簡単。熱湯で作った飽和食塩水を冷まし、洗った生タマゴを漬け込むこと1、2カ月。下ゆでしたゴーヤーをニンニクでいため、鹹蛋でとじれば出来上がりだ。ゴーヤーにほれ直すこと請け合い!ぜひ一度お試しあれ。
(渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)