【交差点】遼寧省「五点一線」の視察


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 中国では沿岸部の都市に開発区を建設して国内外の企業を誘致して発展させ、徐々に周辺地域を発展させるスタイルをとってきた。遼寧省も同様で、海岸線地域の開発区に続く新たな開発区が次々に建設されている。
 省内には現在26の開発区があるが、加えて渤海の海岸線にある都市と瀋陽と丹東を一線とした総合開発計画「五点一線」の臨海経済ベルトの開発が進んでいる。大連日本商工会の募集する五点一線の視察に参加した。
 錦州とコロ島の開発区は、整地された広大な土地にパレスかとみまがう白亜の管理委員会(区役所)が建設されている。中に入るとまず立派な鳥観図を前にして当開発区の地理的有利性と近隣都市とを結ぶ整備が進む交通網の説明を受け、席に着くと資料が配られスクリーンを使って具体的かつ詳細な説明がある。
 各開発区の積極的な受け入れは、進出を考えている企業にとってはより条件に合う選択が可能となるが、今後経済基盤の弱い開発区は淘汰(とうた)されていくのは必至であり、ハイテク産業で知名度が高い企業であれば敷地の無料提供や免税措置を強調して誘致合戦に勝ち抜こうとしている。いずれの開発区も若い意気に燃えた役人たちにぜひ当地への進出を実現するよう期待された。
(池宮城克子・ウチナー民間大使)