英語教材で沖縄学んで 琉大・院卒生ら作成


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教材「沖縄の宝」を作成した「ふるさとプロジェクト」の宮里征吾代表=7日、那覇市おもろまち

 琉球大学大学院で英語教育を学んだ学生でつくる「ふるさとプロジェクト」(宮里征吾代表)が作成した英語教材「沖縄の宝」が、那覇市内の一部の高校で授業に取り入れられる方向で準備が進んでいる。

教育関係者によると、学生が主体となって教材を作るのは初めて。同プロジェクトは第5回世界のウチナーンチュ大会の会場でもブースを設け、教材を紹介する予定。
 同プロジェクト代表の宮里さん(26)が2008年にハワイに留学した際、県系人の若者が沖縄の文化を継承しようと活動していることに感銘を受けた。宮里さんは「沖縄の若者も文化継承のために行動しなければいけない」と、09年6月に同プロジェクトを立ち上げ教材作成に取り組んできた。
 教材ではタコライスの調理法や赤ちゃんが1歳になるときのお祝い「タンカースージ」など中高校生が興味を持ちやすいコラムを12編取り上げている。ほぼ英文だが随所に日本語の解説があり理解度が深まるよう配慮されている。メンバー8人が執筆した。
 教材は那覇市内の全中高校に5冊ずつ無料で配布。興南高校の一部のクラスでは生徒全員に配布し、10月中旬から授業で活用する。
 宮里さんは「英語の学習を通し、沖縄の文化にも目を向けてほしい」と強調。興南高の宮城歩教諭は「地元の文化を英語で世界に発信する素地をつくることのできる教材だ」と評価した。琉球大学教育学部の大城賢教授は「学生が主体的に教材を作成するのは全国的に例をみない。英語圏の人が読んでも通じるレベルの高さだ」と話した。問い合わせはhttp://furupuro.skillet.jp(仲宗根祐希)