交換留学に基金 来年度から千人規模


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 仲井真弘多知事は16日、第5回世界のウチナーンチュ大会閉幕後、海外県系人子弟と県内若者の交換留学など、ウチナーンチュネットワークを担う次世代の人材育成のために大型基金を創設することを発表した。

県の素案によると、基金は県が先頭に立ち、県民、海外県系人を含めた「オールオキナワ」で寄付を募る。沖縄からの派遣と県系子弟受け入れを合わせ年間千人規模の、留学、研修、ホームステイなどに使う。沖縄の日本復帰40年を迎える来年に「記念事業」と位置付け来年度スタートを目指す。
 県が先頭に立ち、県内41市町村、企業・団体、140万県民、海外・国内県人会、ウチナー民間大使、海外県系人などの関係者に呼び掛け、幅広い枠組みで募金に取り組む。「沖縄関係者みんなで次世代の人材を育てる」という理念に基づいている。
 仲井真知事は書面で発表した「知事コメント」で「人材育成にかかわる『万国津梁(しんりょう)基金』(仮称)の創設に向け、先陣を切って取り組んでいきたい」と表明。基金制度に関連し「この大会で生まれ続ける『新たな絆』が『時空と空間』を超えて脈々と次世代へ受け継がれるよう取り組んでいきたい。若い人の意識が大会を通じて拡大し、今後のネットワークの継承について道筋が見える大会だった」と今大会の意義も強調した。
 大会で、海外県人会やウチナー民間大使が「ウチナーネットワークを担う人材育成について」をテーマに掲げ、15日に開いた「ワールドウチナーシンポジウム」で、交換留学の実施など人材育成に役立てる「万国津梁基金」制度の設立を県に提言していた。(新垣毅)