【チャイナ網路】マカオの勢力図変ぼう


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 実に40年にわたり、香港出身の富豪・何鴻■氏(84)に独占されていたマカオのカジノが、外資に開放されて4年。一昨年の米ベネチアングループに続き、今夏“ラスベガスの父”スティーブン・ウイン氏のカジノがオープン。マカオはまさに戦国時代の様相を呈している。
 何氏のリスボアに代表される地元カジノの形勢は正直悪い。一見豪華だが、客に茶一杯出さないのがマカオの流儀。「金が外に出て行かぬように」と風水を考えつくした構造はまるで迷宮だ。
 一方ラスベガス系は、上客ならプライベートジェットだって使い放題。利幅が少ないと、軽視されてきたスロットマシンも大量に導入した。家族連れを見込んだアミューズメント施設も充実。開業早々押すな押すなの大盛況だ。
 中国の政治協商会議の常務委員も務める何氏だが、中国マフィアや北朝鮮との黒いウワサも絶えない。外資開放は、何氏の勢いを削ぎ、米資に恩を売る一石二鳥の政策だという見方もある。再びカジノ景気に沸くマカオ。治安は確実によくなってきている。
(渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)

注:■は森の木が火で、下に木