【交差点】中国の反日デモ


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 4月初め、北京、上海、深川など中国主要都市で投石や破壊行為といった比較的大規模な反日デモが行われた。
 中心となっていたのが大学生や若年層という、いわゆるインターネット世代だということもあり、ネット上の掲示板や携帯メールを利用した「リアルタイムな情報伝達」が行われた。その結果、比較的早い段階で、各地方都市にまで反日デモの火種が飛び火した。

 私が住んでいる福建省福州市では、破壊行為、暴力行為など特に目立った反日行為は確認できなかったが、町の中心にある広場では、やはり若年層(主に大学生)を中心とした集会程度の活動はあったようだ。
 しかし、同じ福建省の都市厦門(アモイ)では17日の日曜日に7千人規模の大きなデモ行進があり、在住する多くの日本人に一時緊張が走ったという。
 幸いなことに、中国に在住する多くの友人・知人から暴力行為などの直接的被害に遭ったという一報は入っていない。各都市での反日デモも、ピークを過ぎて小規模化し、沈静化に向け一応の落ち着きを取り戻し始めた。
 しかし、一度中国の若者たちにわき起こった熱い反日感情が、いつ、どこで、もう一度爆発するか分からない状況下で、中国在住の私たちは、自身の行動や発言に細心、最大の注意を払うことが必要不可欠だとあらためて痛感させられた。
 (吉元耕己・中国沖縄民間大使)