フカセ釣りの名手で南十人会の金城善人さんは4月14日、午後10時に渡名喜島のグルク崎へ渡った。夜明けまでは、するするスルルー釣りをしながら、タマンやミーバイでも狙おうとぶっ込み仕掛けも出した。
夜のするするスルルー釣りではミミジャーやクチナジ等が釣れた。ぶっ込み仕掛けにもエサ取りらしきアタリがあったので、午前1時に釣ったニジョウサバを切り身にして、仕掛けを投げ入れた。竿の横で待機していると、竿先がいきなり海面へと突き刺さった。
ギィーとドラグ音を出しながら10メートルほど、道糸が引き出された。すぐに竿を手に持ち、魚の引きを見ながら、リールのドラグを締めた。竿尻を股(また)に挟んで、両手で竿を握って、全身を使って必死に竿を立てる。しかし竿はタマン用の8号のためか、なかなか寄って来ない。道糸を巻いては、また引き出されるという膠着(こうちゃく)状態が20分近く続いた。しかし、魚も弱ったのか、しばらくするとジワジワっと寄ってきて、最後は足元にプカッと浮いた。
しかし、準備していたタモでは、こんな大物は入らない。仕方ないので、竿を友人に持ってもらい、磯を降りて金城さんがハンドランディング。磯に上げると仲間たちからも祝福の嵐で、嬉(うれ)しさと興奮で膝が震えた。「10キロクラスまでを想定しての仕掛けに、こんな大物(27・4キロ)が釣れるなんて、これだから釣りはやめられない」と嬉しそうに語った。
安全を第一にマナーを守って釣りを楽しもう。(おきなわ釣王国社・仲栄真修)