チヌは知識で釣る


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 タイは魚の王様。そのためかタイと名が付く魚は沖縄近海だけでもシロダイ、ハマダイ、イシガキダイ、スズメダイなど200種以上も知られているが、正式なタイ科魚は金武中城湾に多いヨナバルマジク(タイワンダイ)、深海で釣れるフカヤーマジク(アカレンコ)、磯から釣る黒いタイ、チヌ(ミナミクロダイ・オキナワキチヌ)などで、いずれも冬がベストシーズン。水温が最も低くなる1月から3月が産卵期で11月ごろから岸近くの浅場に接近する。

《初心者チヌ釣り入門!これが分かれば70%チヌは釣れる》
 チヌはボラとともに都市の近くに生息する魚で、ポイントは数多いが、釣れる条件が限られているので、腕より知識で釣るといわれている。
 その条件とは、(1)川や排水口、石積み防波堤などの近くで海底が砂とゴロゴロ岩が点在しているような場所で水深が満潮でも1―2メートルと浅い所がエサ場(写真参照)。
 南部東海岸一番のポイント、干潮時の安座真で漁港北側の新しい海岸で道路が完成した所。(2)チヌは濁りを釣れ(波が出て濁った日が狙い目)。向かい風で北風の日は西、東風の日は東海岸を狙う。(3)チヌは点で釣れ。ごろついた石の周りや、かけ上がりなど隠れ場所がある所でエサを食べる。(4)チヌ釣りは石を釣れ。海底に仕掛けをはわすように釣るので潮止まりには根掛かりが多くなるはず。(5)満潮3時間前に濁りが出ていればマキエをする。(6)チヌの向こう合わせと言われるほど遅合わせをする。2度目のアタリで合わしてもよい。(カーエー狙いのような早合わせは禁物)。(7)仕掛け、ウキ釣りは波に乗って誘いがかかる三点玉ウキが抜群。打ち込みは海草テンビン、中通しなど全遊動仕掛けにする。(8)水しぶきをかぶるので、立ち込みなどは必ずウェダーを着用する。(9)エサは島エビ、カニ、島ミミズと県産品がベスト3、その他オキアミなど。

『週間釣況』
 ○泡瀬漁港で51・5センチのチン。11月16日、田場雄二さんは友人2人とハリス1・7号のウキ釣りで午後8時ごろ30センチ級4匹、午後8時半に大型が釣れた。雨後や潮が動く時によく釣れる。(つりぐの米吉)
 ○キャンプフィッシングでチンが釣れた。11月11日から12日、屋我地で実施された県立玉城少年自然の家主催のキャンプフィッシングで、宜野湾市の幸喜かずあき君、みくちゃんが釣れたチヌに大感激した。(玉城少年自然の家)
 ○今帰仁村ビーチで朝の上げ潮に大型タマン2匹。16日、北谷町の小田拓さんは午前2時ごろからタコのゲソをエサに打ち込み釣りを開始。午前6時ごろに66・4センチ、57・5センチと連続ヒットした。(ステップ名護)
 ○那覇一文字のカゴ釣りで60センチのシルイユー。11月17日、一文字ハシゴ内側のポイントで大洋遊人海、知念広充さんの釣果。ウキ下は13メートルぐらいで遠投がベストだが、この日は向かい風で苦戦した。前日もシルイユーが釣れていた。(大洋レジャー)
 ☆最も簡単、新しいチヌの釣り方
 ウキ釣り用の柔らかい磯サオ、道糸3~5号の先にチヌバリ5号を直結するだけでオモリはなし。石を使いカニの甲羅に少しひびを入れて汁が出るようにして投げ込む。サオが柔らかく糸も細いのでカニの重さで飛距離も出る。(釣果が上がればご連絡ください)
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 フィッシング沖縄社 城一人 098(933)2073 メールfishing@ii-okinawa.ne.jp

【写真説明】上から
(1)チヌが釣れるポイント(干潮時の様子)
(2)雨が降り、濁り気味の時によく釣れるチヌ。51・5センチと田場さん
(3)冬でも風ウラでキャンプフィッシング=屋我地島
(4)キャンプフィッシングで釣れたチヌにびっくり。宜野湾市の幸喜かずあき君と妹のみくちゃん
(5)年中釣れるようになった亜熱帯フィッシングの代表魚タマンと小田さんの釣果
(6)那覇一文字カゴ釣りで60センチのシルイユーを釣り上げた知念さん