【交差点】漢方薬治療


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 少子化問題が毎日マスコミに取り上げられる日本。女性の晩婚化傾向や、結婚後不妊に悩む夫婦と理由はさまざまだが、実は私も後者の一人であった。昨年末に結婚して5年を迎え、この先に不安を持ち始めていたとき、夫の友人から漢方薬治療を勧められた。
 早速、中華街近くにある漢方病院に足を運んでみた。1階から5階まであるその病院は、外科や婦人科などに分かれ、それぞれ専門の漢方医がいる。私は婦人科の医師の部屋に通され、診察を受けることに。医師は、中国人。中国語、タイ語の通訳は付くが、タイ語が話せない私はタイ語、英語の通訳と2人がかりの通訳が付いた。
 漢方医は、まず私の舌をじっくり診た後、両手の脈を慎重に測り、その後、漢方薬の処方せんを書き始めた。これだけの診察で私の体の状態が分かるのかと不思議であったが、医師が言うことはずばりと当たっていた。診察後、煮たしてもらった漢方薬を受け取り帰宅。その晩から漢方治療が始まった。
 良薬は口に苦しというが、まさに的中。見た目は泥のようで、そのまずさは今までに味わったことのないまずさである。コップ一杯の漢方薬を朝晩毎日継続して飲むことになった。継続すれば必ず妊娠できると、医師は自信満々であった。漢方治療は日々、体の状態が変わるので最大で7日分の薬しか出せないという。私は漢方医を信じ、毎週病院に足を運ぶことにした。
 (上原洋子・バンコク在住主婦)