性犯罪、23年で48件 米軍人・軍属 県警が摘発


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米軍人・軍属による女性性犯罪事件

 【東京】警察庁によると、県警が摘発した米軍人・軍属による女性への性犯罪件数が1989~2011年までの23年間で48件に上ることが9日、分かった。少なくとも年に2件の頻度で発生している。

日米両政府による再発防止策に実効性がなく、米軍関係者による性犯罪が繰り返されている実態が新たに浮かび上がっている。
 性犯罪の内容は女性暴行、準女性暴行、女性暴行致死傷、強制わいせつ、強制わいせつ致死傷など。照屋寛徳衆院議員(社民)の質問主意書に政府が答えた。
 93、94、03、08の各年は4件発生し最多。89、90、少女乱暴事件があった95、99、00、01の各年が3件だった。08年は、2月に在沖米海兵隊員が本島中部で女子中学生を暴行。同月、在沖米陸軍伍長がフィリピン人女性を暴行する事件が立て続けに発生した。
 女性暴行罪は、被害者の告訴がなければ起訴できない親告罪。心理的な負担から被害者が泣き寝入りするケースも少なくなく、立件される事件は「氷山の一角」との指摘もある。ことしは、8月に那覇市内で米海兵隊による強制わいせつ致傷事件や10月に本島中部で米海軍兵による集団女性暴行致傷事件が発生し、県民の強い反発を呼んでいる。
 08~11年までの4年間で女性への性犯罪で起訴されたのは1件(10年)、不起訴は4件(08年)だった。08年の女子中学生暴行事件では容疑者が逮捕されたが、被害者が告訴を取り下げ、不起訴となった。