名人偲び、技芸継承へ 幸地亀千代師生誕116年公演


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幕開けで幸地亀千代師の遺影を掲げ斉唱「ぢゃんな節」「大兼久節」を演奏する出演者ら=10日、浦添市てだこホール

 琉球古典音楽の普及・発展に尽力した野村流の大家・幸地亀千代師の生誕116年顕彰公演「感極無聲―かんきわまりこえなし」(同公演実行委員会主催、琉球新報社共催)が10日の昼と夜、浦添市てだこホールで行われた。斉唱や独唱、琉舞、組踊などを多彩に披露。味わい深い歌三線で“幸地節”と呼ばれた名人を偲(しの)び、技芸継承へ気持ちを新たにした。

 幕開けは斉唱「ぢゃんな節」「大兼久節」。生前に録音された幸地師の歌三線に乗せ、国指定重要無形文化財「琉球舞踊」保持者7人の「かぎやで風」も披露した。幸地師の孫で声楽家の兼嶋麗子さんも特別出演し、情感豊かな歌声に拍手が送られた。
 人間国宝(琉球古典音楽)の島袋正雄さんも来場し、楽屋裏では出演者らを激励した。島袋さんは「(幸地師は)歌にとても厳しかったが、それ以外は穏やかな方。仲風節などの歌は万感胸に迫る思いだった。公演が大盛況でうれしい。皆で協力し、継承してほしい」と語った。