宮古、12年ぶり頂点 県高校サッカー決勝


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 サッカーの第91回全国高校選手権大会県大会最終日は10日、県総合運動公園陸上競技場で決勝が行われ、宮古が1―0で南風原を下し、12年ぶり2度目の頂点に立った。

前半から積極的に攻撃を仕掛けた宮古。運動量を前面に出したプレーで流れに乗ると、前半23分にMF善平和のロングシュートで得点した。後半は一転、足が止まり猛追を受けたが、何とか1点を守り切った。宮古は12月31日から来年1月14日まで、東京都の国立競技場などで行われる全国大会に出場する。

▽決勝
宮古
 1―0(1―0,0―0)
南風原
▽得点者【宮】善平

 【評】序盤から果敢に攻撃を仕掛けた宮古。善平、神里春也ら中盤陣を起点としたパスワークと、FWのエース・宮国泰吾らの攻撃で南風原を圧倒した。前半23分、善平が意表を突いたロングシュートで得点。後半は南風原が猛追を見せたが、宮古は粘り強い守備で競り勝った。シュート数は宮古14本、南風原10本だった。
(仲本文子)

◆アララガマ魂全国へ 縦横無尽、果敢に
 前へ前へと切り込む闘争心と、ピンチの場面も守り切る「アララガマ(負けない)魂」を見せつけた宮古。12年ぶりに全国への切符をもぎ取った。
 立ち上がりからピッチを縦横無尽に走り回る運動量で猛攻した。当たりの強い相手を想定し「1対1がだめなら2人で守ればいい」と、上間良哉監督が立てた作戦通り、相手にプレッシャーをかけ、ボールを奪った。
 エース・宮国も、思い切ったドリブル突破で相手守備を崩し、好機を演出。アシスト、シュートを何度も放ち、存在感を見せ付けた。
 流れをつかんだ宮古は、23分にセンターラインから抜けた善平が、意表を突いたロングシュートを放つと、追い風に乗ったボールは相手GKの頭を越え、ゴールに吸い込まれた。
 終盤はスタミナが切れ、何度もピンチを迎えた。しかし、今度は守備陣が奮闘。主将の洲鎌勝汰が体を張ってシュートを止めれば、GK神里美勇士もファインセーブを連発。1点を守り切った。
 宮国は「小学校からの憧れの舞台にやっと行ける」と、感極まった様子。しかし「いつまでも喜んでいるわけにはいかない。パスの精度を上げてまずは初戦突破し、歴代の先輩たちを超えたい」と、すぐに大舞台へと気持ちを切り替えた。
(仲本文子)

◆南風原 隙突かれ失点
 昨年は2年主体のチームで、決勝に進出したものの1点差で敗れ涙を飲んだ南風原。赤嶺航平、宮里和志ら2トップが最後まで果敢に攻撃を仕掛けたが、あと一歩のところで及ばず、準優勝となった。
 「今年こそは勝たなければ」と思い詰めたプレッシャーが、チームの足を重くした。前半の失点に「まだ40分ある」と富盛啓主将も自らを奮い立たせたものの、好機を生かし切れず終了のホイッスルを迎えた。
 「気持ちの部分で負けてしまった」と、肩を落とした平田敦志監督。富盛は「ちょっとした隙を突かれた。これまで迷惑を掛けた人たちに勝って恩返ししたかったが、残念な結果になった」と目を赤くした。

決勝 宮古―南風原 後半、積極的にボールを奪いに行く宮古の宮国泰吾=10日、県総合運動公園陸上競技場(桑原晶子撮影)
決勝 宮古―南風原 前半23分、MF善平和が得点し、喜び合う宮古の選手ら
決勝 宮古―南風原 前半、激しい相手守備をかわしながら果敢に攻め入る南風原の宮里和志