翁長那覇市長4選 村山氏に5万票差


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 任期満了に伴う第20回那覇市長選挙は11日、投票が行われ、即日開票の結果、現職の翁長雄志氏(62)=無所属・自民、公明、民主、新党改革推薦=が7万2475票を獲得し、事実上の一騎打ちを展開した新人の村山純氏(64)=無所属・共産推薦、社民、社大支持=を5万1692票差で破り、4選を果たした。

翁長氏は3期12年間の実績を訴え、自民や公明の保守層を固めたほか、民主票も獲得し、無党派層にも支持を広げた。県内首長選で初めて「自公民」が連携して臨んだ選挙の勝利で2年後の県知事選など今後の主要首長選の対決構図にも影響を与えそうだ。投票率は39・43%で戦後2番目に低い結果となった。
 新人で政治団体代表の石田辰夫氏(60)の得票は2670票だった。
 「自公民」が連携して支持を固めた一方、村山氏を支持した革新側は2000年の那覇市長選から4回連続の敗北を喫した。県知事選など主要首長選でも連敗が続き、抜本的な態勢の立て直しが求められる。
 選挙戦は、医療福祉や経済振興の在り方、行財政改革の手法、久茂地と前島両小学校の統廃合問題などが争点となった。
 翁長氏は、現職の強みを発揮して、同市選出の県議や市議団と連携し、経済界の強い後押しを受けて終始リード。13年度の中核市移行や、市の人件費を削減した行財政改革など3期12年の実績を強調した。普天間飛行場の辺野古移設反対やオスプレイ配備反対を求める県民大会で共同代表を務めるなど、米軍基地問題に対する姿勢も評価され、幅広い支持を得た。
 村山氏は、革新統一候補の擁立断念により人選作業が遅れたことが影響し、訴えが浸透しなかった。擁立後も、革新政党間の連携は不十分で態勢が弱かった。
 当日の有権者数は24万6473人。08年の前回選挙に比べて投票率は13・63ポイント下回った。

◆「4期目は総決算」翁長氏
 翁長雄志氏の話 超短期決戦だったが、多くの人に頑張ってもらった。当選できたのはきょう来てもらった皆さんや、多くの市民の力のおかげで大変うれしい。職員の意識改革や協働のまちづくり、保革を乗り越えてやってきたことなどを理解していただいたと思う。4期目は総決算だ。市民目線の行政をやってほしいという期待もあった。市民や支持政党と対話をしながら頑張っていきたい。

◆新たな戦いの出発
 村山純氏の話 全速力で走り、すがすがしい。市民の気持ちを感じながら頑張った。公約は生きているので、共産・社大・社民の市議団や市民とともに実現へ頑張りたい。革新の構図を継承し、つなぐ、誇りある戦いだった。革新市政へ新たな戦いの出発点にしたい。

那覇市長選で4選を決め、仲井真弘多知事(左)ら集まった支持者らと万歳する翁長雄志氏(中央)=11日午後8時1分、那覇市牧志の選挙事務所