宮里師たたえ演奏 銅像建立10年、安冨祖流発展へ


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宮里春行銅像建立10周年記念式典=13日、那覇市の県立図書館構内

 琉球古典音楽「安冨祖流」の発展に尽力した宮里春行師(1911~92)の銅像建立から10周年を記念した「宮里春行銅像建立10周年記念式典」(主催=沖縄伝統音楽安冨祖流保存会・琉球古典音楽安冨祖流絃聲会、共催=琉球新報社)が13日、那覇市の県立図書館構内にある同師の銅像前で行われた。

奉納演奏などを通し宮里師の功績をたたえ、安冨祖流の継承・発展へ気持ちを新たにした。
 銅像は宮里師が安冨祖流音楽の普及や後継者養成に大きな功績を残したことをたたえ2002年に建立。10周年記念式典は沖縄芸能史・風俗史研究家の崎間麗進さんによる祝詞・奏上や玉串奉典の後、宮里師の直弟子らが「ヂャンナ節」を献奏。国指定重要無形文化財「琉球舞踊」保持者4人が奉納舞踊「かぎやで風」を舞った。また宮里師の直弟子で人間国宝の照喜名朝一さんと西江喜春さんが独唱し熟練の歌三線を響かせた。
 主催者あいさつで沖縄伝統音楽安冨祖流保存会会長の照喜名さんは、沖縄芸能史研究会の當間一郎会長が詠んだ琉歌「宮里の思ひ 世界に広めやり 安冨祖流の心 歌ひ継がな」を紹介、師の技芸を継ぐ思いを強調した。安冨祖流絃聲会会長の濱元盛爾さんは「宮里先生の残された唱法、奏法を指導へ活用し、さらに伝統音楽を磨きたい」と語った。