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【南風原】病気入院中の生徒を励まそうと、10日、南風原町立南風原中学校(城間明校長)で催された合唱コンクールで、会場の体育館と病院をインターネットで中継する試みが行われた。
病院で中継を見たのは、同中2年の比嘉可南子さん(13)。持病の股関節炎のリハビリをするため、9月から県立南部医療センター・こども医療センターに入院している。元気いっぱいに歌う友人らを見て、比嘉さんは「外出は諦めていたが、本当は見たかった。感動して泣きそうだった」とうれしそうに話した。
1学期まで同中に通っていた比嘉さん。現在は、長期入院する子どもを対象に病院内で訪問授業を行う森川特別支援学校に籍を置く。
比嘉さんは、幼いころからの持病で運動も制限してきた。その分、運動以外の分野に積極的に参加している。昨年の合唱コンクールでは指揮者として出場。一生懸命、大きな身ぶりで指揮棒を振った結果、クラスは金賞を取り、自身も「指揮者賞」を受賞。
ことし7月の第20回少年の主張南風原町大会では、足が不自由というハンディキャップを正直に伝え、周囲の理解を得た経験を語り、優秀賞を受賞した。
比嘉さんは、クラスの雰囲気を「仲が良くて、元気がいっぱい」と話す。ネット中継された合唱コンクールはクラスメートが合唱前に「可南子ー、今から歌うからそばで見ていて」と壇上から呼び掛け、合唱後もパソコンに取り付けたカメラの前で「早く元気になって」とエールを送った。
中継を見た比嘉さんは「ことしは一緒に元気よく歌いたかった」と悔しそうな表情を見せたが、クラスメートに対して「みんなが気に掛けてくれてうれしかった。来年は絶対に合唱コンクールに出場して、金賞を取りたい」と感謝の気持ちと決意を述べた。
(梅田正覚)