県中学駅伝 名護、男女制す


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 駅伝の第36回男子・第25回女子中学校大会は17日、石垣市中央運動公園陸上競技場発着の八重山中体連駅伝コース(男子6区間20キロ、女子5区間12キロ)で行われ、名護が男子(細川尊瑛、宮城響、仲村將吾、岸本幸平、山城幹太、嘉手苅柊希)で7年ぶり4度目、女子(岸本舞鈴、真栄田桃花、豊里希帆、嶋袋由惟、長山夢芽)で6年ぶり2度目の頂点に立った。

ともに全国大会(12月16日、山口)への出場権を獲得した。男女の上位2位までは九州大会(12月1日、熊本)へ出場する。

◆名護女子アンカー長山、必死の激走 体ひとつ競り勝つ
 女子は名護と今帰仁が43分18秒で同着と、最後までお互い一歩も譲らない激しいレースを展開。名護のアンカー長山夢芽がラスト約100メートルのスパートで競り勝ち、優勝をもぎ取った。
 第1区の岸本舞鈴がリードされながらもトップ集団につけると、真栄田桃花がスパートで2人抜きに成功、一気に2位に浮上。豊里希帆も順位を保ち、嶋袋由惟が先頭の今帰仁を抜いてトップに躍り出ると、たすきはアンカー・長山に託された。
 「たすきをつなぐ時、少しもたついてしまった」(長山)。今帰仁に先を越されたが、粘りの走りでゴールのある競技場に入ったのはほぼ同時。
 長山は、トラックの最終コーナーから勝負を仕掛けた。外側から追い抜こうとスパートをかけたが、相手も外側に出てしまい、足止めを食らった。しかし一瞬、逆を突いて抜き去ることに成功。体ひとつリードした状態で、そのまま倒れ込むようにテープを切った。
 混戦のレースに、順位の確定も遅れた。約30分後、やっと優勝が確定すると「ずっと勝っているか不安だったけど、うれしい」と、長山は安堵(あんど)の表情。「自分の力を出し切れた」と、感極まって涙を浮かべた。(仲本文子)

◆努力と和で全国つかむ名護男子
 出場選手のうち4人が野球部だったが、駅伝に専念するため、陸上部で長距離を鍛え直したという男子名護。こつこつと積み重ねた努力とチームワークで、2位の東風平に10秒以上の差をつけ栄冠をつかんだ。
 「駅伝で全国に行きたかった。本当にうれしい」と振り返る第1区を走った細川尊瑛主将。マークしていた今帰仁にラスト1キロで離されてしまったが「メンバーみんなで冷静に追い上げようと話していたから」と、不安なく宮城響にたすきをつないだ。
 ただ一人2年の宮城が、平らなコースから得意の上り坂に差し掛かると、団子状態から一気に約10人を置き去りにして4位に浮上した。3区の仲村將吾も先頭集団にすぐ追い付き、そのままトップ争いの展開に。ラスト1キロで首位に出ると、岸本幸平、山城幹太もペースを崩さなかった。
 1位でスタートしたアンカーの嘉手苅柊希は「最後のスパートで後ろを確認したら、4秒くらい差があった」と勝利を確信。両手人さし指を天にかざし、余裕のゴールだった。
 主将の細川は「みんなで協力してやってきた結果。みんなで全国に行けるから、本当にうれしい」と、にっこり。嘉手苅は「体力とスピードを少しでも付けられるように、もっと練習したい」と、言葉に力を込めた。(仲本文子)

ほぼ同時にゴールテープを切る、優勝した名護の長山夢芽(右)と準優勝の今帰仁・喜屋武由子=17日、石垣市中央運動公園陸上競技場(仲本文子撮影)
第6区をトップで走る名護の嘉手苅柊希(右)=17日、八重山中体連駅伝コース