戦後のコザ、活写 知念さん、62年の集大成


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62年間撮影し続けた作品展示会への来場を呼び掛ける(左から)知念文吉さん、大城信男胡屋自治会長=12日、沖縄市の琉球新報中部支社

 【沖縄】写真歴62年の集大成-。沖縄市胡屋の知念文吉さん(79)の写真展が23~25日、胡屋自治会館で開かれる。地元沖縄市を中心に、知念さんが撮影し続けた戦後すぐからの街並みや伝統行事などの写真約100点を展示する。

 知念さんは基地従業員だった18歳のころ、高級品だったカメラを購入した。その後40歳ごろに転職し、バス運転手になってからは仕事で県内各地を回りながら、合間を縫って撮影を続けた。
 好きな撮影分野は街並み、芸能、伝統行事。現在も獅子舞など地域の伝統行事の際には、「まちのカメラマン」として活躍している。
 知念さんの展示会開催は19年ぶり。胡屋自治会館が2年前に新築されたのを機に、地域の歴史を振り返ろうと大城信男自治会長が企画した。
 展示会には、車が右側車線を走る復帰前の胡屋十字路、現在の市役所近くにあった結婚式場「パレス会館」、市出身民謡歌手の山内昌徳さんや故嘉手苅林昌さんの若いころのステージなどの写真を展示。地域の人が時代の移り変わりを感じる内容となる。市外でも国際通りにあった「大宝館」(現・沖縄三越)や、現在は那覇新都心に発展した、返還前の米軍住宅地などの写真もある。
 大城自治会長は「これだけ長い間、地域のことを記録し続けるのはすごいことだ。多くの人に見てもらいたい」と来場を呼び掛けた。
 午前9時から午後5時まで(最終日は午後4時まで)。